【第30回(2018年)介護福祉士国家試験過去問解答・解説】問題46

施設における介護福祉職と他職種との連携として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 食事時に咳込む利用者の嚥下機能の評価を,作業療法士に相談する。
2 寝たきりの利用者の仙骨部に発赤を見つけたときは,看護師に相談する。
3 体重減少が続いている利用者に気づいたときは,社会福祉士に相談する。
4 車いすでの食事時に姿勢が崩れてしまう利用者に気づいたときは,言語聴覚士に相談する。
5 嚥下困難のある利用者に提供する食事内容を,歯科衛生士に相談する。

正解:2

【解説】
1=×:嚥下機能を評価するために、『質問表』『水飲みテスト』『反復唾液嚥下テスト(RSST)』などのスクリーニングツールがあり、重症度の評価方法については、藤島一郎先生が開発した『Food Intake LEVEL Scale(FILS)』という基準を用いることで、あらゆる職種が嚥下機能を評価できます。

また、専門作業療法士(摂食嚥下)という専門性を持つ作業療法士もおり、その修了カリキュラムには嚥下機能評価も設けられている1)ため、嚥下機能評価を作業療法士に相談することをいちがいに誤りとはいえません。

しかしながら、専門作業療法士(摂食嚥下)は2018年11月1日現在で全国に8名2)と少なく、口腔・嚥下機能の評価と摂食訓練については、一般的に言語聴覚士(ST)や歯科医師がそのスキルを習得しており3)、その相談相手として第一候補となるため、この選択肢は誤りです。

2=○:仙骨(骨盤の中心部にある)部に発赤が見られた場合、床ずれ(褥瘡)のおそれがあるため、床ずれ(褥瘡)についての基礎知識・技能を学んでいる看護師に相談することは適切ですので、この選択肢は正しいです。

なお、看護師は厚労省より『新人看護職員研修ガイドライン』4)が定められており、新人でも褥瘡(床ずれ)の予防対応が必須技能とされており、皮膚・排泄ケア認定看護は褥瘡のエキスパートとして活躍しています。

3=×:社会福祉士は、身体・精神に障害があるなど、日常生活を営むことが困難な人に対して、医療・福祉・教育・行政機関などとの連絡・調整することを主な業務としています。体重減少については、栄養摂取に詳しい管理栄養士や看護師に相談することが適切5)であり、この選択肢は誤りです。

4=×:姿勢が崩れてしまうなど、基本的な動作能力の改善・リハビリテーションについては、体の使い方に精通している理学療法士(PT)に相談することが適切であり、この選択肢は誤りです。

5=×:歯科衛生士は歯科疾患の予防及び口腔衛生の向上を図る(歯科衛生士法第1条)ことを目的として、人々の歯・口腔の健康づくりをサポートする国家資格の専門職です6)
近年、摂食・嚥下機能訓練も新たな歯科保健指導の分野として注目されていますが、嚥下困難のある際の食事内容については、管理栄養士や栄養士が精通しているため、この選択肢は誤りです。

参考文献
1)日本作業療法士協会:『一般社団法人日本作業療法士協会 生涯教育制度 専門作業療法士の認定取得のための手引き 各論(摂食嚥下分野)―第2.0版―』(2013年)
2)日本作業療法士協会:『専門作業療法士一覧
3)チーム医療推進協議会:『摂食・嚥下チーム
4)厚生労働省:『新人看護職員研修ガイドライン
5)チーム医療推進協議会:『栄養サポートチーム
6)日本歯科衛生士会:『歯科衛生士とは

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