【第30回(2018年)介護福祉士国家試験過去問解答・解説】問題7

33-007 地域包括ケアシステムを支える互助の説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)「高齢者虐待防止法」とは,「高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。

1 所得保障を中心としたナショナルミニマム(national minimum)の確保
2 地域福祉向上のための住民の支え合い
3 市場サービスの購入
4 介護保険制度における介護サービスの利用
5 「高齢者虐待防止法」に基づく虐待への対応

正解:2

【解説】
厚労省によれば、『地域包括ケアシステム』とは、“高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で生活を継続することができるような包括的な支援・サービス提供体制の構築を目指すシステム”です。

厚労省による地域包括ケアの概念説明では、下記の植木鉢で説明され、医療・介護従事者には必須の知識です。

(地域包括ケア研究会:『地域包括ケアシステム構築に向けた制度及びサ-ビスのあり方に関する研究事業(平成28年度)』より転載)

医療費の増大や医療従事者不足などの経済・制度上の問題と、利用者側の「住み慣れたところで人生の最終段階を迎えたい」というニーズを背景に、病院以外での治療・ケアが推進されるようになりました。それにより治療の場は外来・在宅医療へとその比重をシフトさせています。つまり、医療と介護は地域で包括的に行うことが求められているのです。

この『地域包括ケア』を実現するためには、「自助・互助・共助・公助」が重要とされています。

(地域包括ケア研究会:『地域包括ケアシステム構築に向けた制度及びサ-ビスのあり方に関する研究事業(平成28年度)』より転載)

自助:利用者自らの収入から負担する自分への支援。具体的には、医療・介護保険を利用しない市場サービスの購入など。
互助:負担が制度として裏づけされていない自発的な負担で行う支援。具体的にはボランティアなど。
共助:リスクを共有する仲間(被保険者)の負担で行う支援。具体的には介護保険など。
公助:税による公の負担で行う支援。具体的には生活保護などがある。

1=×:『ナショナルミニマム』とは、国が国民に対して保障する生活の最低限度(最低水準)のことです。日本国憲法では生存権として表れ、生活保護などがその具体例である。『ナショナルミニマム』の性格としては国が保障するもの=公助となり、この選択肢は誤りです。
2=○:地域住民同士の支えあいは、制度的な裏づけをもたない、住民による自発的な助けですので、『互助』に該当するため、この選択肢は正しいです。
3=×:自分の収入から市場サービスを購入することは、『自助』に該当するため、この選択肢は誤りです。
4=×:介護保険の利用は、介護保険加入者同士の支えあいとなる『共助』に該当するため、この選択肢は誤りです。
5=×:『高齢者虐待防止法』は、国が制定してその対象者を支援・保護するものとなるため『公助』となり、この選択肢は誤りです。

TIPS
『地域包括ケア』については必須知識ですので、理解を深めましょう。
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