ケアプランとの違いは?介護の基本となる『介護過程』とは

『介護過程』とは、利用者のより良い生活=QOL向上やその人らしい生活という介護目的の実現のために、客観的・科学的な根拠(エビデンス)と考えをもって介護を実践する道筋、過程をいいます1)

介護過程を具体的にいえば、『アセスメント』『介護計画の立案』『実施』『評価』の4つのプロセスを指し、このプロセスを繰り返し展開していくことが必要です。

(介護福祉教育研究会:『楽しく学ぶ介護過程』.p24,久美出版,2009年を基に作成)

1.『アセスメント』

『アセスメント』とは、利用者に関する情報を収集・分析し、自立した日常生活を営むために解決すべき課題を把握すること2)であり、利用者に関わる人から①情報を収集し、②情報を分析・解釈・統合・判断しながら、③利用者の生活課題(ニーズ)を明確化していく行為です。
具体的には『アセスメントシート』を活用しながら、利用者本人・家族からヒアリングを行い、記入していきます。

2.『介護計画の立案』

『介護計画の立案』とはケアプランを立てることです。利用者が選んだケアマネージャーがケアプランの原案を作成し、利用者本人・家族・サービス担当者が一同に会してケアプランの内容を検討します。この検討会議が『サービス担当者会議』です。

3.『実施』

決定したケアプランに基づいてケア・介助を『実施』します。

4.『評価』

実施したケア・介助が効果的であったか、適切であったかを『評価(モニタリング)』し、その結果を踏まえて計画を見直してケアの質を向上させていく、という流れです。

ビジネス用語でいう『PDCA』(「Plan=計画」「Do=実行」「Check=評価」「Action=改善」)に類似した方法ですね。

介護過程は、その利用者が希望する、利用者本人の個別性に合ったその人らしいケアを展開するために必要な方法ですが、利用者の要望をすべて叶えるべきという訳ではないということです。

実現が難しい要望や不適切な要望もありえますし、そもそも介護は利用者の自立を支援するものだからです。
自立のためのニーズをしっかり把握し、そのニーズが実現できるようサポートしていきましょう。

参考文献
1)柊崎京子:『介護過程のアセスメントシートの作成』.共栄学園短期大学研究紀要 26.2010年
2)介護職員関係養成研修テキスト作成委員会編:『介護職員初任者研修テキスト 第3巻 こころとからだのしくみ」』(初版第4刷). p.357,長寿社会開発センター.
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