【第30回(2018年)介護福祉士国家試験過去問解答・解説】問題11

30-011 介護保険制度における地域ケア会議の目的として,適切なものを1つ選びなさい。

1 居宅サービス計画の作成
2 事業所の事業運営の推進
3 市町村介護保険事業計画の策定
4 個別ケースの課題分析等を行うことによる地域課題の把握
5 介護認定の審査判定

正解:4

【解説】
『地域ケア会議』とは、“高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備とを同時に進めていく、地域包括ケアシステムの実現に向けた手法”です。

地域ケア会議の具体的な目的は下記のようなものです。

・地域包括支援センター等が主催
・医療・介護等が多職種協働することで、『高齢者の個別ケースの課題分析・解決』と『地域課題の明確化』
・介護支援専門員(ケアマネ)のケアマネジメントの実践力の向上

(厚生労働省:『地域ケア会議の概要』より転載)

そもそも『地域包括支援センター』とは、平成17年(2005年)に改正された『介護保険法』において、市区町村が保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員などを配置し、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行うための機関として制定されました。

(厚生労働省:『 地域包括支援センターの概要』より転載)

地域包括支援センターによる『地域ケア会議』が行われてきましたが、未実施の自治体があったり、ただの検討会にとどまるなど、効果が不十分であるとされました。

そこで、平成27年(2015年)に改正された『介護保険法』第115条の48の第1項(下記)により、『地域ケア会議』は努力義務化されました。

第百十五条の四十八 市町村は、第百十五条の四十五第二項第三号に掲げる事業の効果的な実施のために、介護支援専門員、保健医療及び福祉に関する専門的知識を有する者、民生委員その他の関係者、関係機関及び関係団体(以下この条において「関係者等」という。)により構成される会議(以下この条において「会議」という。)を置くように努めなければならない。

1=ד居宅サービス計画(=ケアプラン)の作成”を目的としているのは、『サービス担当者会議(サ担会)』であり、この選択肢は誤り。
2=×:“事業所の事業運営の推進”を目的としているのは、『運営推進会議』ですので、この選択肢は誤りです。
3=×:“市町村介護保険事業計画の策定”を目的としているのは、各市町村での会議ですので、この選択肢は誤りです。
4=○:“個別ケースの課題分析等を行うことによる地域課題の把握”が地域ケア会議の目的の一つですので、この選択肢は正しいです。
5=×:“介護認定の審査判定”を目的としているのは、各市町村の『介護認定審査会』ですので、この選択肢は誤りです。

TIPS
利用者を支えるために様々な会議があります。その目的や参加者などの違いをしっかり理解しましょう。
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