【第30回(2018年)介護福祉士国家試験過去問解答・解説】問題55

30-055 洗濯に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ほころびや破れがあるものは,修理してから洗濯する。
2 色が移るのを防ぐために,素材の違うものは分けて洗濯する。
3 嘔吐物で汚れたカシミヤのセーターは,塩素系漂白剤につけてから洗濯する。
4 ファスナーは開けた状態で洗濯する。
5 マジックテープは,はずした状態で洗濯する。

正解:1

【解説】
1=○:ほころびや破れがある洗濯物をそのまま洗濯してしまうと、洗濯物同士がこすれあうなどしてほころびや破れを広げてしまうおそれがあります。ほころびや破れがある衣類は修理してから洗濯することが望ましいため、この選択肢は正しいです。

2=×:色移りを防ぐためには、同じ色のもの同士で洗濯することが有効です。素材を分けても色移りは予防できないため、この選択肢は誤りです。

3=×:嘔吐の原因の一つであるノロウイルスに対して次亜塩素酸ナトリウムが有効1)ですので、嘔吐物への対応は次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤(ハイターなど)を40~60倍に希釈して水拭きするのが適切です2)

しかし、カシミヤ(山羊の毛)やシルク(蚕の繭)、ウール(羊の毛)などの動物性繊維を原材料とした衣類に対して塩素系漂白剤(ハイターなど)を使うと繊維を痛めたり3)黄ばんでしまったりするため、この選択肢は誤りです。
動物性繊維への汚れは、カシミヤやウール対応の記載がある中性洗剤や酵素系漂白剤の使用が適切です。

4=×:ファスナーを開けたまま洗濯してしまうと、他の洗濯物に巻き込まれて衣類を傷つけたり、ファスナーが引っ張られて壊れたりするおそれがある4)ため、この選択肢は誤りです。

洗濯の際にはファスナーを必ず閉めることで、衣類・ファスナーの破損や衣類の型崩れを防ぐことができます。

5=×:マジックテープをはずした状態で選択すると、マジックテープが他の衣類に密着して破損させたり、マジックテープ自体に糸くずが付いてしまって密着力が低下するおそれがあるので、この選択肢は誤りです。

参考文献
1)厚生労働省:『ノロウイルスに関するQ&A
2)日本感染学会:『施設内感染対策相談窓口
3)日本石鹸洗剤工業会:『暮らしのクリーンノート』⑦ 衣類のお手入れ基礎知識
~1.繊維の話
4)YKK:『ファスナーの使い方のコツ
5)神奈川県:『汚物処理・消毒のポイント
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