【第30回(2018年)介護福祉士国家試験過去問解答・解説】問題44

30-044 食中毒(foodborne disease)の予防に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 生食用海産魚介類は,塩水で洗う。
2 カレーやシチューは,常温で保存する。
3 生の肉を切った包丁とまな板は,すぐに洗って熱湯をかけておく。
4 豚肉は,中心部が50℃になるように1 分間加熱する。
5 解凍した冷凍食品の残りは,再度冷凍して保管する。

正解:3

【解説】
食中毒予防の三原則は、「(細菌を)つけない」「増やさない」「殺す」が大切です。

1=×:魚介類には『腸炎ビブリオ』という細菌が生息しており、『腸炎ビブリオ』は塩水を好む1)ため、塩水で洗うのは逆効果ですので、この選択肢は誤りです。
『腸炎ビブリオ』は2~3%の食塩濃度で温度が20℃以上になると魚介類の中で旺盛に増殖する1)ので、夏場などで魚介類を洗う場合は、真水(水道水)でよく洗って菌を洗い流す2)ことが大切です。

2=×:『ウェルシュ菌』は食肉(牛肉、豚肉、鶏肉)に含まれる細菌で100℃でも死滅しないほど熱に強く、空気に弱い(嫌気性)性質があります。カレーやシチューなどの煮込み料理で発生し、加熱調理で一度食品を熱していると安心して常温で放置しておくと、45~50℃で急激に増殖し、食中毒を引き起こす3)ため、この選択肢は誤りです。
なお、熱調理後3時間以内に20℃以下に急冷することでウェルシュ菌の増殖を抑えることができます。

3=○:生肉や生魚を切ったまな板と包丁は83℃以上の熱湯でよく洗うことで細菌やウイルスを死滅させることができます4)ので、この選択肢は正しいです。

4=×:細菌が死滅するよう、中心部を75℃以上で1分間以上加熱調理することが基本4)ですので、この選択肢は誤りです。

5=×:冷凍・冷蔵しても細菌を死滅させることはできず、一度解凍した冷凍食品は細菌が一気に増殖しているおそれがあります4)再冷凍はこの細菌とその毒素を温存することとなるため、この選択肢は誤りです。

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