【第33回(2019年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問165給食「介護報酬」

33-165 通所介護における栄養管理に関する介護報酬の加算である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)栄養マネジメント加算
(2)経口移行加算
(3)経口維持加算
(4)療養食加算
(5)栄養改善加算

正解:5

【解説】
介護版の診療報酬が介護報酬ですが、ざっくり言えば、介護報酬とは病院外での医療っぽい業務に対する報酬です。

病院外で医療・介護を提供している施設・サービスはさまざまあり、施設・サービスごとに算定できる介護報酬が決められていますので、介護報酬名と適応される施設・サービス名はセットでしっかり覚えましょう。

介護のサービスは、自宅で受ける軽いサービスからはじまり、自宅外で受ける手厚いサービスまで幅があります。

自宅で受けるサービスを『居宅サービス』といい、訪問介護(ホームヘルプ)や訪問看護、訪問入浴など“訪問〇〇”という呼称をもつサービスの総称です。

自宅にはいるけどたまに外出して受けるサービスを、自宅外に通うことから『通所サービス』といい、通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア)、短期入所生活介護 (ショートステイ)などのサービスの総称です。

自宅から別の施設に移り住んで、他の人に常時見てもらうようなサービスを『施設サービス』といい、介護老人福祉施設 (特養)や介護老人保健施設(老健)などのサービスの総称です。

居宅と施設の間に通所があり、これらの複合サービスとして、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)や小規模多機能居宅介護などの『地域密着型サービス』があります。

1=×:栄養マネジメント加算は、介護老人福祉施設 (特養)や介護老人保健施設(老健)施設サービスでの栄養管理に対する介護報酬であるため、誤った選択肢です。

2=×:経口移行加算は、介護老人福祉施設 (特養)や介護老人保健施設(老健)施設サービスでの栄養管理に対する介護報酬であるため、誤った選択肢です。

3=×:経口維持加算は、介護老人福祉施設 (特養)や介護老人保健施設(老健)施設サービスでの栄養管理に対する介護報酬であるため、誤った選択肢です。

4=×:療養食加算は、介護老人福祉施設 (特養)や介護老人保健施設(老健)施設サービスでの栄養管理に対する介護報酬であるため、誤った選択肢です。

5=○:栄養改善加算は、通所介護などの通所サービスや居宅サービスでの栄養管理に対する介護報酬であるため、正しい記述です。

これだけ見るとイマイチ各介護報酬の違いがわからなくて、暗記しなきゃとゲンナリすると思います。
なので、各介護報酬の意味を理解すると、適応される場面・施設の違いがイメージできるかと思います。

経口移行加算や経口維持加算は、経管栄養から経口栄養に変わること・経口栄養が維持されることを評価するものです。
前提としてチューブでの栄養摂取の状態ですから、ちょっと重ためのイメージですね。

また、栄養マネジメント加算とは、入所者の栄養ケア計画を立案して栄養管理を行うことを評価するものです。

計画を立ててマネジメントするわけですから、こちらもちょっと重たいイメージでしょうか。

一方、栄養改善加算は、高齢者の低栄養を防ぐための栄養管理を評価するものです。低栄養ではまだ自立はできていることが多いので、こっちのほうが重篤度は低いイメージですね。

診療報酬や介護報酬では、栄養〇〇や〇〇管理などの似た名称が多くありますが、それぞれどんなことをするのかを理解して、業務とその場面をイメージしましょう。

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