新型コロナ、インフルエンザ、食中毒・・・。WHOガイドライン2009年による感染予防のための正しい手洗い法

新型コロナウイルス感染によるパンデミックのため、不安な日々を過ごしている方も多いと思います。
自分が感染しないことともに、自分が感染させないことが感染症対策では重要です。
マスクによる飛沫感染防止はもちろん、感染予防の基本は接触感染防止のための手洗いです。

そもそも、なぜ手洗いはウイルスに効果があるの?

消毒用のアルコールが品不足となり、アルコールがなければ、新型コロナウイルスを除菌できないと思っていませんか?

石けんでもウイルスを不活化する(能力をなくす)効果があります

ウイルスはその表面の一番外側に脂質からできた「エンベロープ」という二重の膜を持っています。

石けんに含まれる界面活性剤は、水と油の両方にくっつくことができる性質を持っています。
界面活性剤は、ウイルスの表面にある脂質の膜=エンベロープにくっついて溶けることで「ミセル」(分子の塊)を作り、ウイルスのRNAにダメージを与え、不活化します。

そのため、石けんによる手洗いは、エンベロープをもつウイルスを洗い流すだけでなく、ウイルス自体を不活化することができるのです。

正しい手洗いを知ってますか?

手洗いという行為は誰でもご存じかと思いますが、“正しい手洗い”については知っていますか?

科学的な根拠のある正しい手洗いについて、WHO(世界保健機関)がガイドラインを作成して明記しているので、本記事でその手順をイラストとともに確認しましょう!

①水で手を濡らします。

②十分手の表面にいきわたる量の石鹸をとります。

③手のひらで手のひらをこすります。

④右の手のひらを左の手の甲に重ねて指を組んでこすります。
終えたら同様に、左の手のひらを右の手の甲に重ねてこすります。

⑤両手の手のひらを合わせて指を組み合わせてこすります。

⑥組み合わせた両手のうち、片手を内側にねじって、両手の指を連結器のようにして、片方の手のひらで、もう片方の指の後ろをこすります。

⑦左手の親指を右の手のひらに包み、回転させてこすります。
終えたら同様に、右手の親指を左の手のひらで包んで回転させてこすります。

⑧右手の指をくっつけて、左の手のひらで回転させてこすります。
終えたら逆も同様です。

⑨水で手をすすぎます。

⑩使い捨てタオルで手を完全に乾かします。

⑪タオルを使って水道の蛇口を締めます。

⑫手は安全・清潔になりました!

医療従事者や介護従事者だけでなく、すべての人が覚えておきたい手洗いの仕方です。

参考文献
1)WHO(世界保健機関)「医療現場における手指衛生のためのWHOガイドライン(2009年)」
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