【第30回(2018年)介護福祉士国家試験過去問解答・解説】問題10

30-010 介護保険法第1条に規定されている内容に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 高齢社会対策の基本理念や基本となる事項を定める。
2 福祉サービス利用者の利益の保護及び地域福祉の推進を図る。
3 介護が必要となった者等が尊厳を保持し,その有する能力に応じ自立した日常生活を営めるよう,保険給付を行う。
4 疾病,負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行う。
5 老人の福祉に関する原理を明らかにし,老人に対し,心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じる。

正解:3

【解説】
平成9年(1997年)に施行された『介護保険法』の第一条は次のような内容です。

第一条 この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。

1=×:“高齢社会対策の基本理念や基本”について定めているのは、平成7年(1995年)に施行された『高齢社会対策基本法』で、この選択肢は誤りです。
2=×:“福祉サービス利用者の利益の保護及び地域福祉の推進”について定めているのは、昭和26年(1951年)に施行された『社会福祉法』で、この選択肢は誤りです。なお、“福祉サービス”という文言はどちらの法律にも記載がありますが、“地域福祉”を進めているのが社会福祉法だと考えればよいでしょう。
3=○:介護保険法の第一条の条文内容に合致するため、この選択肢は正しいです。
4=×:“疾病,負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付”について定めているのは、大正11年(1922年)に施行された『健康保険法』で、この選択肢は誤りです。
5=×:“老人の福祉に関する原理を明らかにし,老人に対し,心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置”について定めているのは、昭和38年(1963年)に施行された『老人福祉法』で、この選択肢は誤りです。

TIPS
介護にかかわる法律がどのような目的で施行されているか、今一度確認しましょう。
1)介護保険法
2)高齢社会対策基本法
3)社会福祉法
4)健康保険法
5)老人福祉法
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