【第30回(2018年)介護福祉士国家試験過去問解答・解説】問題24

一人暮らしの認知症高齢者のJさんが,一昨日,訪問販売で高価な寝具を購入して,家族が困惑している。この家族への介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Jさんが他者と関わらないように助言する。
2 国民生活センターで,契約を解除してもらうように伝える。
3 施設入所を勧めて,消費者被害を繰り返さないようにする。
4 クーリング・オフ制度を利用して,契約を解除できることを伝える。
5 自己破産制度を活用して,自己破産を勧める。

正解:4

【解説】
1=×:認知症においても他者とのかかわりや社会参加は、利用者本人の認知能力維持・向上に効果的であり、『オレンジプラン』1)にても認知症の方へ社会参加を促進することが推奨されているため、この選択肢は誤りです。
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2=×:『国民生活センター』は、国民生活の安定及び向上に寄与するため、総合的見地から、国民生活に関する情報の提供及び調査研究を行うとともに、重要消費者紛争について法による解決のための手続を実施する組織です2)。基本的な対応には情報提供が中心であり、国民生活センターは個別の契約に介入しません

また、本選択肢の場合、訪問販売による契約8日間以内であり、クーリング・オフ制度を利用することが適切ですので、この選択肢は誤りです。

なお、クーリング・オフの対応としては、家族が契約解除の書面を作成し、記録が残る「特定記録郵便」または「簡易書留」で販売会社・信販会社あてに送付することが推奨されています。

3=×:認知症であっても本人の意思決定や尊厳、その人らしい暮らしは尊重されるべきであり、安易に施設入所を勧めることは不適切ですので、この選択肢は誤りです。

4=○:『特定商取引法』によるクーリング・オフは、消費者が訪問販売などの不意打ち的な取引で契約したり、マルチ商法などの複雑でリスクが高い取引で契約したりした場合に、一定期間であれば無条件で、一方的に契約を解除できる制度です2)。消費者が認知症であるかどうかに関わりなく利用でき、各取引形態により解約可能期間が定められています

•訪問販売(キャッチセールス、アポイントメントセールス等を含む):8日間
•電話勧誘販売:8日間
•特定継続的役務提供(エステ、語学教室、学習塾、家庭教師、パソコン教室、結婚相手紹介サービス):8日間
•連鎖販売取引(マルチ商法):20日間
•業務提供誘引販売取引(内職商法、モニター商法等):20日間
•訪問購入(業者が消費者の自宅等を訪ねて、商品の買い取りを行うもの):8日間 ※法施行日(2013年2月21日)以降の契約が対象となります。
※通信販売には、クーリング・オフ制度はありません。

本選択肢の場合、訪問販売による契約8日間以内ですので、クーリング・オフ制度を利用することが適切ですので、この選択肢は正しいです。

5=×:自己破産は債務者が支払い不可能と裁判所が認めた場合に残りの借金の支払いが免除される制度です。自己破産は自分の財産を手放すこことなり、認知症である利用者の権利・財産をむやみに損なうこととなります。まずはクーリング・オフ制度の利用が適切ですので、この選択肢は誤りです。

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