【第30回(2018年)介護福祉士国家試験過去問解答・解説】問題42

30-042 屋外での車いすの介助方法として,適切なものを1つ選びなさい。

1 段差を上がるときは,キャスターを斜めに向ける。
2 段差を下がるときは,後ろ向きで後輪から下りる。
3 急な上り坂では,両腕の力で素早く進む。
4 急な下り坂では,前向きで進む。
5 砂利道では,後輪を持ち上げて進む。

正解:2

【解説】
1=×:車いすで段差を上がるときは、段差に対して直角にキャスターをあてることが正しいため1)、この選択肢は誤りです。
なお、キャスターを持ち上げるときは乗車者に「キャスターをもちあげますよ」と一声かけましょう

2=○:車いすで坂道や段差を下がるときは、乗車者が前向きのままだと前方へ転倒したり、前方へズレたりするおそれがあるため、下がるときや下るときは、乗車者を後ろ向きとして、後輪(主輪)から下るのが適切1)ですので、この選択肢は正しいです。

3=×:車いすで急な上り坂を上がるときは、グリップを押しながら自分の身体を少し前に倒し、車いすの重さに推し戻されないように一歩づつしっかり押すのが適切です2)。両腕の筋肉の力だけで車いすを押すと腕を痛めたり、車いすを押し戻されたりするため、この選択肢は誤りです。

坂道で車いすを押す場合、自重を使うほか、足腰の大きな筋肉を意識して、全身の筋肉で負荷を分散させることが重要3)です。

4=×急な下り坂で前向きに進むと、乗車者が前方に転倒するおそれがある1)ため、この選択肢は誤りです。

5=×:砂利道や平坦ではない道を走行するときは、平地と同じように介助すると、キャスターが引っかかったり、はまり込んで動けなくなってしまうことがあります。このため、砂利道などでは、車いすの後ろに立ってグリップを押し下げ、キャスター(前輪)を持ち上げた状態で進むことが適切ですので、この選択肢は誤りです。

参考文献
1)日本福祉用具・生活支援用具協会:『車いすの使い方
2)国立障害者リハビリテーションセンター:『在宅生活ハンドブックNo.2 車いすの維持管理と基本操作
3)テクノエイド協会:『腰を痛めない介護・看護』.福祉用具シリーズvol.15
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