【第30回(2018年)介護福祉士国家試験過去問解答・解説】問題41

30-041 ベッドの端に座っている左片麻痺の利用者の,立ち上がりまでの基本的な介護として,適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者の右側に立つ。
2 立ち上がる前に,深く座りなおすように促す。
3 利用者の右膝を支える。
4 利用者を真上に持ち上げる。
5 立ち上がった時に,利用者の右膝の裏が伸びていることを確認する。

正解:5

【解説】
『片麻痺』(かたまひ)とは、脳卒中など、何らかの理由で脳が障害されることで、片側の上下肢が運動麻痺を起こす状態です。

脳の右側が障害されると、体の左側に麻痺が生じ、脳の左側が障害されると、体の右側に麻痺が生じます

1=×:片麻痺がある利用者に対しては、障害がある方=『患側(かんそく)』に立って介護をすることが基本です。動きが制限されている患側に立つことで、患側に倒れたり、患側の運動をサポートするためです。
本設問の利用者は左片麻痺ですので、介護者が立つのは患側である左側が適切ですので、この選択肢は誤りです。

2=×:深く座ることで重心が後方にかかり立ち上がりにくくなるため、この選択肢は誤りです。

3=×:本設問の利用者は左片麻痺であり、右膝は自由に動かせますし、支えなくとも右側で自重を支えることができます。片麻痺の人には患側を支える必要があり、この場合は左膝を支える必要があるため、この選択肢は誤りです。

4=×:利用者を上に持ち上げることで立ち上げることはできますが、このように介護者が全面的に全身を使えない訳ではない利用者を介助する『全介助』は、利用者の運動能力低下など自立能力を損なうおそれがあります(リハビリテーションの考え)。また、本人の希望がなく全介助を行うことで、利用者が驚いたり緊張してしまうおそれもあるため、この選択肢は誤りです。

5=○:障害がない健康な方=『健側』膝が伸びることで、立ち上がり時に力が入るため、この選択肢は正しいです。

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