ディグニティセラピーとは
ディグニティセラピーは、カナダのマニトバ大学精神科教授のチョチノフ博士によって考案された、人生の最終段階におけるスピリチュアルケアの手法の一つです。
愛知県がんセンター中央病院緩和ケア部長である小森康永先生(精神科医)が2007年に日本ではじめて紹介し、日本緩和医療学会などで2000年代後半から取り上げられるようになりました。
人生の最終段階でのケア=エンドオブライフケアで活躍されているめぐみ在宅クリニック院長の小澤竹俊先生も自著『死を前にした人に あなたは何ができますか?』の中で、このディグニティーセラピーを取り上げています。
ディグニティセラピーの具体的な方法
ディグニティ(dignity)=尊厳のあるセラピーとは、具体的には、患者に対して9つの代表的な質問を行い、その患者の人生を振り返りながら、患者が人生で感じたことや学んだことを後世にどのように伝えて欲しいかを傾聴することで、その患者個人のスピリチュアルペインをケアすることです。
その9つの質問を簡単に説明すると、
①患者さんが最も大切と考える時期か
②患者さんにとって大切な人に詳しく知ってほしいことや覚えて欲しいことは何か
③患者さんが人生で果たした役割は何か
④患者さんが成し遂げたことで最も重要と考えることは何か
⑤患者さんにとって大切な人にもう一度時間をとって伝えたいことはあるか
⑥患者さんにとって大切な人に対して持つ希望や夢は何か
⑦患者さんが人生で学んだことで、誰かに受け渡したいと考えるアドバイスは何か
⑧患者さんにとって大切な人が将来に備える上で役立つような言葉や指示はあるか
⑨この質問を書いた手紙にほかに入れておきたいものはあるか
のような内容です。
患者の生を尊厳をもって受け止めるとともに、患者の家族や残された大切な方にとってのグリーフケアともなる方法です。
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