【第32回(2018年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問42人体「免疫と生体防御」

32-042 免疫と生体防御に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)好中球は、自然免疫を担っている。
(2)ナチュラルキラー(NK)細胞は、特異的防御機構を担っている。
(3)Bリンパ球は、胸腺で成熟する。
(4)Tリンパ球は、免疫グロブリンを産生する。
(5)免疫グロブリンは、細胞性免疫を担っている。

正解:3

【解説】

1=×:好中球は、獲得免疫を担っているため、誤った選択肢です。

免疫には先天的な免疫である自然免疫と、後天的な免疫である獲得免疫があります。

自然免疫は、自分以外の細胞を認識して攻撃する細胞による免疫です。

具体的には好中球、好酸球、好塩基球、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞であり、細胞性免疫(Ⅳ型アレルギー)に当たります。

一方、獲得免疫は、一度侵入した抗原を認識して攻撃する抗体による免疫です。
血液などの体液に含まれる抗体=免疫グロブリンが、抗原を攻撃します。

2=×:ナチュラルキラー(NK)細胞は、非特異的防御機構を担っているため、誤った選択肢です。

特異的防御機構とは、特異な病原体(抗原)を記憶して攻撃する免疫機構のことで、獲得免疫のことです。

一方、非特異的防御機構は、特異な病原体(抗原)を記憶する訳ではなく、自分と異なる異物を攻撃する免疫機構のことで、自然免疫のことです。

ナチュラルキラー(NK)細胞は、自然免疫であり、病原体(抗原)に特異的にはたらくわけではないので、非特異的防御機構にあたります。

3=○

4=×:Tリンパ球は、免疫グロブリンを産生せず、自身がキラーT細胞となって病原体(抗原)を攻撃するため、誤った選択肢です。

リンパ球の約75%がT細胞、約25%がB細胞ですが、免疫グロブリンを産生するのば、B細胞です。

T細胞は、キラーT細胞となって病原体(抗原)を攻撃したり、ヘルパーT細胞となって樹状細胞から抗原情報を受け取って攻撃の指令を出したり、制御性T細胞となってキラーT細胞の過剰な攻撃を抑えるはたらきがあります。

5=×:免疫グロブリンは、液性免疫を担っているため、誤った選択肢です。

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