【第34回(2020年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問111臨床「主観的包括的評価(SGA)」

34-001 主観的包括的評価(SGA)に用いられる情報である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)血糖値
(2)尿ケトン体
(3)便潜血
(4)仙骨部浮腫
(5)膝下高

正解:4

【解説】

主観的包括的評価(SGA)とは、「体重の変化」「食事摂取量の変化」「消化器症状」「身体機能の制限」「栄養要求量を変化させる疾患の有無」などの問診と、「皮下脂肪」「骨格筋」「腹水・浮腫の有無」の身体所見をそれぞれを主観的に評価して、栄養状態を良好・中等度低栄養・重度低栄養の3段階に分類する方法です。

中程度低栄養と評価された場合は、栄養アセスメントの対象となります。

主観的包括的評価(SGA)は、医療者が特別な器具や装置を用いることなく問診と身体所見から主観的でざっくりした評価を行うので、低コストで実施できる長所がある一方、熟練しなければ評価が難しいという短所があります。

1=×:血糖値は、主観的包括的評価(SGA)ではなく客観的栄養評価に当たるため、誤った選択肢です。

血糖値のような血液検査により客観的な数値で示せる評価項目は、客観的栄養評価です。

2=×:尿ケトン体は、主観的包括的評価(SGA)ではなく客観的栄養評価に当たるため、誤った選択肢です。

尿ケトン体のような尿検査により客観的に陰性・陽性で示せる評価項目は、客観的栄養評価です。

3=×:便潜血は、主観的包括的評価(SGA)ではなく客観的栄養評価に当たるため、誤った選択肢です。

便潜血のような検便により客観的に陰性・陽性で示せる評価項目は、客観的栄養評価です。

4=○:浮腫の有無は、主観的包括的評価(SGA)の身体所見に当たるため、正しい記述です。

機器を使わず、問診や見た目で判断できる評価項目です。

5=×:膝下高は、主観的包括的評価(SGA)ではなく客観的栄養評価に当たるため、誤った選択肢です。

膝下の長さは見た目でおおよそ判断できますが、膝下高は数値で示すため、身体測定が必要な項目であり、客観的栄養評価に当たります。


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