【第34回(2020年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問14 社会「医療制度(医療法)」

34-014 わが国の医療制度に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。

(1)医療計画は、国が策定する。
(2)基準病床数は、医療計画に含まれる。
(3)災害時における医療の確保は、医療計画に含まれる。
(4)三次医療圏とは、最先端または高度な医療を提供する医療圏を指す。
(5)20床以上の病床を有する医療施設を病院という。

正解:1

【解説】
1=×:医療計画は都道府県が策定するため、誤った選択肢です。

病院とは何か、医療はどのような体制で提供されるべきかという定義や全体像は、医療法に定められています。

医療法30条の4に、

都道府県は、基本方針に即して、かつ、地域の実情に応じて、当該都道府県における医療提供体制の確保を図るための計画(以下「医療計画」という。)を定めるものとする。

とあり、都道府県における医療計画の作成を担っているのが、保健所です。

2=○:基準病床数は医療計画に含まれるため、正しい記述です。

医療は地域の実情に応じて計画・提供されるべきであるという考えのもと、都道府県による医療計画の策定が求められています。

この医療計画とは、どの程度の人数や状態の患者を想定して入院用のベッド(病床)を用意するかや、どこまでが日常的な医療を受け入れる範囲でどこで高度な医療を受け持つかなどの医療がカバーする範囲医療圏)について定めるものです。

3=○:災害時における医療の確保は医療計画に含まれるため、正しい記述です。

災害時にどのように医療を提供するかについても医療計画で定めることとなっています。

4=○:三次医療圏とは最先端または高度な医療を提供する医療圏ですので、正しい記述です。

医療圏の区分として、クリニックなどで軽症な疾患を診療してもらうような日常的な医療を提供する範囲、まず初めにかかる医療(プライマリ・ケア)の範囲を一次医療圏といいます。

範囲としては市町村単体レベルです。

次に、健康増進・疾病予防から入院治療まで一般的な保健医療を提供する範囲を二次医療圏といいます。

範囲としては、一般に複数の市区町村レベルで構成されています。町のちょっと大きな病院や私立病院などのイメージです。

これに対して、三次医療圏は難病や結核などの感染症、高度救命救急センターなど、とりわけ高度で難しい疾患への対応が必要となる医療を提供する範囲を指します。

高度で専門的ですが、患者数としてはそれほど多くないですしコストもかかるため、都道府県に1つレベルで設定されています。

5=○:20床以上の病床を有する医療施設は病院ですので、正しい記述です。

一般的には、病院も診療所も一緒のように思われていますが、両者の違いは設備の違い、とりわけベッド数で定義されます

医療法の第1条の5では次のように定義されています。

「病院」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、二十人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。

つまり、入院のためのベッドが20床以上ある施設を病院、19床以下の施設を診療所と区別されています。

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