【第34回(2020年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問129臨床「CKD(慢性腎臓病)の栄養管理」

CKD(慢性腎臓病)の栄養アセスメントに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)推算糸球体濾過量(eGFR)の算出には、血清クレアチニン値を用いる。
(2)重症度分類には、尿潜血を用いる。
(3)たんぱく質摂取量の推定には、1日尿中尿酸排泄量を用いる。
(4)ビタミンD活性化障害の評価には、血清カリウム値を用いる。
(5)エリスロポエチン産生障害の評価には、血清マグネシウム値を用いる。

正解:1

【解説】
CKD(慢性腎臓病)は国試に必ず出る疾患です。
食事療法の表はもちろん、その前提となっているGFRや腎臓の解剖についての知識もしっかり理解しましょう。

1=○:推算糸球体濾過量(eGFR)の算出には血清クレアチニン値を用いるため、正しい記述です。

クレアチニンとは、筋肉に含まれるアミノ酸の一種であるクレアチンが代謝された老廃物です。

クレアチニンは腎臓で濾過されて尿中に排泄されるため、血中のクレアチニンを測ることで、どのくらい血液中にクレアチニンが残っているか、尿中に排泄されなかったかという点から、腎臓の糸球体濾過機能(GFR)を推定する(estimated)指標=eGFRとして活用されています。

2=×:CKDの重症度分類には尿たんぱくを用いるため、誤った選択肢です。

腎臓や尿、膀胱などに異常があった場合に尿に血が混じることがあります。
そのため、尿潜血はCKDの診断基準の一つです。

CKD は下記の片方または両方が 3 カ月以上持続することにより診断する。
①腎障害を示唆する所見(検尿異常、画像異常、血液異常、病理所見など)の存在
②GFR 60 mL/分/1.73m2未満

しかし、潜血だけでは糸球体の濾過機能を細かに評価できないため、CKDの重症度分類は尿たんぱくやeGFRにて行われます。

3=×:CKDでのたんぱく質摂取量の推定には1日尿中尿素排泄量を用いるため、誤った選択肢です。

腎機能が低下するということは、糸球体に大きな孔があいてアルブミンのような径が大きい物質をろ過できずに通過させてしまうということです。

アルブミン=たんぱく質は肝臓で尿素に代謝されるため、たんぱく質=アルブミン≒尿素と考えれば、たんぱく質の摂取量や腎機能の指標はアルブミンや尿素であることが理解できると思います。

尿中尿酸が指標となるのは、高尿酸血症です。

4=×:ビタミンD活性化障害の評価には血清カルシウム値を用いるため、誤った選択肢です。

活性型ビタミンDは、腸管からのカルシウム吸収を促進し、血清カルシウム値を上昇させる役割があります。

そのため、血清カルシウム値が低ければ、ビタミンDの活性化に障害があると判断できます。

なお、血清カルシウム濃度が低いと、副甲状腺からパラトルモン(副甲状腺ホルモン)が分泌され、骨から血液へとカルシウムを放出させ、また、腸管からのカルシウム吸収を抑制して、血清カルシウム濃度を上昇させます。

パラトルモンはカルシトニンとまったく逆の働きをもつ副甲状腺ホルモンであるということも覚えておきましょう。

また、カルシウムとカリウムは字面が似ているので混同する人もいるかもしれませんが、各々の特徴をしっかり理解して区別しましょう。

5=×:エリスロポエチン産生障害の評価には血清エリスロポエチン値を用いるため、誤った選択肢です。

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