34-013 わが国の医療保険制度に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)75歳以上の患者では、窓口負担金の割合は収入にかかわらず同一である。
(2)後期高齢者医療制度の財源の約1割は、高齢者本人の保険料である。
(3)原則として償還払い給付である。
(4)保険料率は、保険者にかかわらず同一である。
(5)被用者保険と国民健康保険では、受診時の自己負担割合が異なる。
正解:2
【解説】
1=×:75歳以上の患者でも、窓口負担金の割合は収入に応じて変動するため、誤った選択肢です。
75歳以上の高齢者を後期高齢者といいますが、後期高齢者医療制度(75歳以上の方の医療費)においては、後期高齢者であっても現役世代並みの収入がある人は、現役世代と同じように3割の窓口負担金となります。
2=○:後期高齢者医療制度の財源の約1割は、高齢者本人の保険料です。
後期高齢者医療制度は、75歳以上の後期高齢者の保険料(1割)、 現役世代(国民健康保険・被用者保険)からの後期高齢者支援金(約4割)および公費(約5割)でまかなわれています。
公費とは、国・都道府県・市町村が出すお金、つまり税金です。
現役世代は保険料とともに国や地方自治体に納付する各種税金が後期高齢者の医療費に充てられているということです。
国試では出題されない知識かもしれませんが、社会人として理解しておきたい知識です。
3=×:医療制度は現役世代でも後期高齢者でも現物給付ですので、誤った選択肢です。
現物給付というのは、医療費用分のお金が支払われるということではなく、現物として医療のサービスを受けられるということです。
償還払いとは、払った費用の一部について払い戻しを受けることであり、平たく言えば、立替です。病院に医療費を払った分、後から健康保険からお金を支払って貰うというようなことではないということです。
4=×:保険料率は、保険者の収入によって変動するため、誤った選択肢です。
5=×:被用者保険であっても国民健康保険であっても受診時の自己負担割合は年齢によって同一ですので、誤った選択肢です。
医療保険の自己負担分は、基本的に一律3割負担です。
6~69歳にあたる大半の人3割負担、6歳未満や70~74歳は2割負担、75歳以上で1割負担が基本で、あとは収入に応じて高齢者でも3割負担です。
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