34-118 ビタミン、ミネラルの欠乏により生じる疾患の組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)ビタミンE――――壊血病
(2)ビタミンB12――――ハンター舌炎
(3)カルシウム――――パーキンソン病
(4)亜鉛――――ヘモクロマトーシス
(5)銅――――ウィルソン病
正解:2
【解説】
ビタミン・ミネラルの欠乏については、『日本人の食事摂取基準』にも記載があり、応用栄養学としても出題される、国試頻出テーマです。
1=×:ビタミンEの欠乏で起きるのは、神経障害や溶血性貧血などであるため、誤った選択肢です。
ビタミンE は、生体膜を構成する不飽和脂肪酸や他の成分が酸化するのを防ぐために、細胞膜のリン脂質二重層内に局在す栄養素でする。
ビタミンE 欠乏が欠乏すると神経障害や溶血性貧血などの症状が起きるおそれがあります。
なお、壊血病が生じるのは、ビタミンC不足です。
2=○:ビタミンB12の欠乏で起きるのは、ハンター舌炎や巨赤芽球性貧血なので、正しい記述です。
ハンター舌炎は、舌に炎症が起きることで舌の痛みや味覚障害が生じます。
3=×:カルシウムの欠乏で起きるのは、骨粗鬆症、高血圧、動脈硬化などであるため、誤った選択肢です。
カルシウム不足によるパーキンソン病発症の因果関係は証明されていません。
4=×:亜鉛の欠乏で起きるのは、皮膚炎や味覚障害、慢性下痢などであるため、誤った選択肢です。
なお、ヘモクロマトーシスとは鉄過剰症のことです。
鉄も銅もフィチン酸により吸収が阻害されるため、鉄が欠乏している場合は、亜鉛も欠乏していることが多くみられます。
5=×:銅の欠乏で起きるのは、メンケス病であるため、誤った選択肢です。
メンケス病とは銅不足により、知能低下や神経障害を生じる疾患です。
なお、ウィルソン病は銅が過剰な場合に引き起こされる疾患で、肝機能障害や神経障害がみられます。
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