30-039 Cさん(75歳,男性)は, 頸椎症(cervical spondylosis)と診断された。手がしびれ,指先に力が入らない。しびれが強い左手に加えて,最近では,右手の症状が進行して,食後の歯磨きがうまくできなくなった。
Cさんが口腔の清潔を保つための介護福祉職の助言として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 歯間ブラシの使用を勧める。
2 歯ブラシをやめて,洗口液のうがいをするように勧める。
3 柄を太くした歯ブラシの使用を勧める。
4 口をすすぐときは,上を向くように勧める。
5 歯ブラシを歯肉に当てるように勧める。
正解:3
【解説】
1=×:頚椎症では神経が圧迫され、手足がしびれて思うように動かすことが難しくなります。そのため、歯間ブラシなどの細かい動作を勧めることは不適切ですので、この選択肢は誤りです。
2=×:プラーク(歯垢)は細菌の固まりであり、細菌凝集・付着性により洗口液のうがいでは除去できず、歯ブラシで擦らないと口腔ケアにはならない1)ため、この選択肢は誤りです。
3=○:歯ブラシによる口腔ケアは、プラーク除去による誤嚥性肺炎などの感染予防や、刺激による唾液分泌による食欲向上などの効果が期待でき、有効です。
Cさんのように手が動かしにくい利用者に、歯ブラシが持ちやすく、扱いやすい太めの柄のもの勧めることは適切であり、この選択肢は正しいです。
4=×:上を向いて口をすすぐことで、頚椎を刺激してしびれや痛みを悪化させることになり、また、誤嚥・むせの原因ともなるため、この選択肢は不適切です。
5=×:歯と歯肉(歯茎)の間はプラーク(歯垢)が溜まりやすく、歯肉炎の原因にもなるためケアが必要ですが、歯肉自体をブラッシングすることは歯肉を傷つけたり、歯肉が退縮して感染しやすくなる2)ため、この選択肢は誤りです。
なお、歯と歯肉の境目を磨く場合は、45度の角度で磨く『バス法』が推奨されています。
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