【第33回(2019年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問6社会「根拠(エビデンス)に基づいた医療(EBM)」

33-006 根拠(エビデンス)に基づいた医療(EBM)に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)診療ガイドラインの作成は、法律で定められている。
(2)系統的レビューは、研究倫理審査委員会の報告書のことを指す。
(3)メタアナリシスは、複数の研究において得られた効果を総合的に判断するときに有用である。
(4)臨床経験の豊富な権威者による意見は、質の高いエビデンスとみなされる。
(5)民間企業との共同研究で得られた成果は、利益相反を開示しなくてもよい。

正解:3

【解説】
1=×診療ガイドラインの作成は、法的な根拠はないが、各学会が患者と医療者を支援する目的で自主的に作成している。

2=×:系統的レビューは、研究自体を調査・分析・統合する手法やその手法を用いた論文のことを指す。

系統的レビュー(システマティックレビュー)の1つに、メタ・アナリシスがあります。

3=○:メタアナリシスは、複数の研究において得られた効果を総合的に判断するときに有用である。

4=×:臨床経験の豊富な権威者による意見は、すなわち質の高いエビデンスとはみなされない。

臨床経験の豊富な権威者による意見も、あくまで1つの意見にすぎません。多彩な意見(論文)を総合的に判断した意見=システマティックレビューで導かれた結論が客観的で再現性が高く、質が高いエビデンスとされます。

5=×:民間企業との共同研究で得られた成果は、利益相反を開示する必要がある。

民間企業との共同研究では、民間企業から資金援助を受けるため、研究結果が民間企業に有利なものにゆがめられるおそれがあります。そのため、ヒトを対象とした民間企業との共同での臨床研究の結果には、利益相反(COI)を明示する必要があります。

0
error: Content is protected !!