【第33回(2019年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問7社会「喫煙」

33-007 喫煙に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)主流煙は、副流煙より有害物質を多く含む。
(2)禁煙治療は、保険診療で認められていない。
(3)わが国は、WHOのたばこ規制枠組条約(FCTC)を批准していない。
(4)受動喫煙の防止は、健康増進法で定められている。
(5)未成年者喫煙禁止法は、第二次世界大戦後に制定された。

正解:4

【解説】
1=×:主流煙は、副流煙より有害物質が少ないため、誤った選択肢です。

たばこに含まれる有害物質は主流煙も副流煙も同じですが、有害物質の発生割合は、副流煙の方が多いです。

そのため受動喫煙の方が健康に対する被害が大きく、2020年4月に改正版が施行された健康増進法で重点的な対策がとられました。

2=×:禁煙治療は、条件を満たせば保険診療が認められるため、誤った選択肢です。

ニコチン依存症のスクリーニングテストの点数が5点以上で、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上などの条件を満たせば、保険診療による禁煙治療を受けることができます。

具体的には、低ニコチン剤(飲み薬・貼り薬)による薬物治療となります。

3=×:わが国は、WHOのたばこ規制枠組条約(FCTC)を批准しているため、誤った選択肢です。

たばこ規制枠組条約(FCTC)とは、たばこの受動喫煙・未成年喫煙の防止や、たばこの販売促進などを規制する条約です。

当然ながら日本もこの条約に批准(契約締結)しており、その具体化として健康増進法における受動喫煙防止の条文が成立していると考えられます。

4=○:受動喫煙の防止は、健康増進法で定められているため、正しい記述です。

なお、未成年者へのたばこ販売の禁止は、未成年者喫煙禁止法で規定されています。
未成年者へたばこを販売したものや喫煙した未成年者の親権者には罰則がありますが、喫煙した未成年自身への罰則がないことに注意しましょう。

5=×:未成年者喫煙禁止法は、第二次世界大戦前の明治33(1900)年に制定されたため、誤った選択肢です。

第二次世界大戦よりも40年以上前、日清戦争などがあった1900年に未成年者喫煙禁止法が成立しています。

法律制定の背景として、日清戦争中にたばこが急激に普及し、戦地に向かった日本兵がたばこを吸っていたことなどから、子どもにもたばこが広まってしまったことがあるようです。


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