【第34回(2020年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問6 社会「睡眠と休養」

34-006 睡眠と休養に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)家に帰ったらできる限り早く眠るようにすることは、積極的休養である。
(2)健康づくりのための休養指針では、他者との出会いやきずなの重要性が示されている。
(3)最近の国民健康・栄養調査によると、「睡眠で休養が十分にとれていない者」の割合は約50%である。
(4)健康づくりのための睡眠指針では、アルコール摂取による睡眠導入が推奨されている。
(5)健康づくりのための睡眠指針では、1日9時間以上の睡眠をとることが推奨されている。

正解:2

【解説】

はじめに言いますが、睡眠と休養に関する問題は、あまり出題されません

なぜかと言うと、管理栄養士にとって問うべき知識が少なく、新しい情報も少ないからです。

正しい睡眠の根拠となっている『健康づくりのための睡眠指針』が出されたのが2014年ですが、その後改訂されていませんので、この指針を出題根拠とした新しい出題がしにくいという状況です

1=×:厚生労働省による『健康日本21』によれば、積極的休養とは、“リラックスしたり、自分を見つめたりする時間を1日の中につくること、趣味やスポーツ、ボランティア活動などで週休を積極的に過ごすこと”であり、“単にごろ寝をして過ごすだけでは真の「休養」ではない”とされています。

「家に帰ったらできる限り早く眠る」にも積極性があるように思われますが、体を動かしたりするような意識が高い休養ではないので、これは誤った選択肢です。

なお、単純に体を休めるような休養は、消極的休養と定義されています。

2=○:他者との出会いや絆の重要性は『健康づくりのための休養指針』に示されているため、正しい選択肢です。

3=×:『平成 30 年国民健康・栄養調査結果の概要』によれば、平成21年から平成30年の9年間で、「睡眠で休養が十分にとれていない者」の割合は約15~20%で推移し、増加傾向にあります。
とはいえ、睡眠が不十分な人が50%は流石に多すぎです。

4=×:アルコール摂取による睡眠導入、いわゆる寝酒はアルコール依存の原因にもなるため、誤った選択肢です。『健康づくりのための睡眠指針』にもその旨が記されています。

5=×:『健康づくりのための睡眠指針』では、“必要な睡眠時間は 6 時間以上 8 時間未満”と記されているため、誤った選択肢です。
1日9時間以上の睡眠時間はちょっと多いかなと感覚的にも否定できる知識かと思います。


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