【第34回(2020年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問7 社会「糖尿病の疫学」

34-007 最近のわが国の糖尿病に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)国民健康・栄養調査では、「糖尿病が強く疑われる者」の数は約4,000万人である。
(2)国民健康・栄養調査では、「糖尿病が強く疑われる者」の割合は、70歳以上は50歳代より高い。
(3)国民健康・栄養調査では、「糖尿病が強く疑われる者」のうち治療を受けている者の割合は90%以上である。
(4)患者調査では、患者数は女性の方が男性より多い。
(5)人口動態統計では、死因順位は10位以内である。

正解:2

【解説】
1=×:国民健康・栄養調査では、「糖尿病が強く疑われる者」の数は約1,200万人である。

「糖尿病が強く疑われる者」は平成27年度では1,000万人、令和元年度では1,200万人と推計されています。男女での構成比はこの10年間で有意な変化はないが、微増している状況です。

2=○:国民健康・栄養調査では、「糖尿病が強く疑われる者」の割合は、70歳以上は50歳代より高い。

高齢になるにつれ糖尿病が疑われる者は増加し、70歳以上が最大となっています。このような背景があるため、食生活に気を付けている高齢者は多いと考えられます。

3=×:国民健康・栄養調査では、「糖尿病が強く疑われる者」のうち治療を受けている者の割合は約75%である。

『令和元年国民健康・栄養調査』によれば、「糖尿病が強く疑われる者」のうち治療を受けている者の割合は男性で78.5%、女性で74.8%、全体で76.9%となっています。

4=×:患者調査では、患者数は女性の方が男性より多い。

患者自体は日本全体で、約2,000万人。内訳は入院患者約1,300万人、外来患者約720万人となっています。

5=×:人口動態統計では、死因順位は10位以内ではない。

日本人の死因第1位は悪性新生物(がん)で約380万人、2位が心疾患(高血圧除く)で約200万人、第3位が老衰で約120万人。この3つの順番は必ず覚えよう。
4位以下は脳血管疾患や誤嚥性肺炎、腎不全、認知症などが続くが、糖尿病は死因の10位以内に入っていない。糖尿病はそれ自体が死因となるというより、糖尿病によりがんや腎不全を併発して死亡することが大半である。


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