【第34回(2020年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問84応用「日本人の食事摂取基準(2015年版)の基本的理解」

日本人の食事摂取基準(2015年版)における策定の基本的事項に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)対象者に、生活習慣病のリスクを有する者は含まれない。
(2)対象とする摂取源に、ドリンク剤は含まれない。
(3)示された数値の信頼度は、栄養素間で差はない。
(4)望ましい摂取量は、個人間で差はない。
(5)エネルギー収支バランスの指標に、成人ではBMI(kg/m2)を用いる。

正解:5

【解説】
1=×:『日本人の食事摂取基準(2015年および2020年版)』では、生活習慣病のリスクがある者も含むため、誤った記述です。

2=×:対象とする摂取源には、ドリンク剤も含むため、誤った記述です。

『日本人の食事摂取基準(2015年版)』では、食事として経口摂取されるものに含まれるエネルギーと栄養素を対象としています。

同基準の「3 策定の留意事項」において、

通常の食品以外に、いわゆるドリンク剤、栄養剤、栄養素を強化した食品(強化食品)、特定保健用食品、栄養機能食品、いわゆる健康食品やサプリメントなど、疾病の治療を目的とせず、健康増進の目的で摂取される食品に含まれるエネルギーと栄養素も含む

とされています。

3=×:『日本人の食事摂取基準(2015年および2020年版)』では、各指標や栄養素ごとに設定された数値は信頼度が異なるとされています。

どの栄養素をどの程度摂取すべきかを策定するには、研究が必要です。しかし、すべての栄養素について国内で大規模な研究が行われている訳ではありません。

栄養素によっては国内での研究によるエビデンスがないために、海外の論文や数値を参考に設定している数値もあります。

また、十分な研究・科学的根拠のある数値は推定平均必要量や推奨量とされ、根拠が不十分な数値は目安量とされています。

したがって、本選択肢は誤った記述です。

推奨量や目安量の違いがわかれば判断できる知識でしよう。

4=×:エネルギーや栄養素の摂取は、個人差があるため、誤った選択肢です。

医療や介護に関わることで、個人差を考慮しなくていいことは、ほとんどありません。

5=○:『日本人の食事摂取基準(2015年および2020年版)』には、エネルギーの過不足を評価する指標としてBMIを用いることが記されています。

実際の評価では、体重を用いて評価するため、正答肢として少し迷うかもしれませんが、エネルギー収支の評価ではBMIは体重から算出されますから、BMI≒体重と考えてよいでしょう。

同じテーマの問題

【第33回(2019年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問86応用「日本人の食事摂取基準(2015年版)の基本的理解」【第33回(2019年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問86応用「日本人の食事摂取基準(2015年版)の基本的理解」
解説内容が良いと思って下さったら、ぜひ下のいいねボタンを押して下さい!いいねを頂けると、解説を書く励みになります。

0
error: Content is protected !!