【第33回(2019年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問86応用「日本人の食事摂取基準(2015年版)の基本的理解」

33-086 日本人の食事摂取基準(2015年版)における策定の基本的事項に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)摂取源には、サプリメントは含まれない。
(2)参照体位は、望ましい体位を示している。
(3)BMI(kg/m2)は、18歳以上のエネルギー収支バランスの指標である。
(4)高齢者の年齢区分は、65歳以上である。
(5)目安量(AI)は、生活習慣病の予防を目的とした指標である。

正解:3

【解説】
1=×:エネルギー・栄養素の摂取源には、サプリメントも含むため、誤った選択肢です。

『日本人の食事摂取基準(2015年および2020年版)』では、食事として経口摂取されるものに含まれるエネルギーと栄養素を対象としています。

同基準の「3 策定の留意事項」において、

通常の食品以外に、いわゆるドリンク剤、栄養剤、栄養素を強化した食品(強化食品)、特定保健用食品、栄養機能食品、いわゆる健康食品やサプリメントなど、疾病の治療を目的とせず、健康増進の目的で摂取される食品に含まれるエネルギーと栄養素も含む

とされています。

2=×:『日本人の食事摂取基準(2015年年版)』における参照体位は日本人の平均的な体位の人とされているため、誤った選択肢です。

『日本人の食事摂取基準』は普通の人がどの程度エネルギー・栄養素を取るべきかを示した基準ですから、理想的な体形な人間が摂取すべきエネルギー・栄養素を記したものではないと判断できるかと思います。

3=○:日本人の食事摂取基準(2015年版)』では、18歳以上の人におけるエネルギーの過不足を評価する指標としてBMIを用いることが記されています。

エネルギーが過多なら体重≒BMIが増加しますし、過少なら減少するからですね。

4=×:『日本人の食事摂取基準(2015年)』では、高齢者の年齢区分は70歳以上とされているため、誤った選択肢です。

ここで注意したいのが『日本人の食事摂取基準(2020年版)』では、高齢者の区分として、65~74歳と75歳以上の2区分が設けられました。

これは、65~74歳がいわゆる前期高齢者、75歳以上が後期高齢者という概念が広まってきたために整合性を図ったものです。

5=×:目安量(AI)は、摂取量を策定するだけの十分なエビデンスがなく、推定平均必要量(EAR)や推奨量(RDA)を策定できない場合の目安となる摂取量であるため、誤った選択肢です。

生活習慣病の予防を目的とした指標は「目標量(DG)」です。

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