【第34回(2020年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問41人体「免疫・アレルギー疾患」

34-041 免疫・アレルギー疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)強皮症では、胃食道逆流症がみられる。
(2)全身性エリテマトーデス(SLE)は、男性に多い。
(3)関節リウマチでは、蝶形紅斑がみられる。
(4)シェーグレン症候群では、涙液分泌の増加がみられる。
(5)食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、IgA依存性である。

正解:1

【解説】
1=○:強皮症では、胃食道逆流症がみられるため、正しい記述です。

強皮症とは、自己免疫の異常を主な原因として、皮膚や内臓が硬化する免疫疾患です。

強皮症では、食道が硬化することもあり、食道が硬化することで蠕動運動がしにくくなり、食物を飲み込みにくい、胸につかえる、横になると逆流してくるなどの逆流性食道炎(GERD)がみられます

2=×:全身性エリテマトーデス(SLE)は女性に多いため、誤った選択肢です。

全身性エリテマトーデスとは、自己免疫の異常により、発赤や関節痛などの炎症性の症状がみられる若年から中年女性に好発する自己免疫疾患です。

症状としては関節痛が最も多いですが、特徴的な発赤としては蝶形紅斑があります。

蝶形紅斑とは、顔に蝶のような皮膚の赤みがみられる症状で、全身性エリテマトーデス(SLE)の典型的な症状です。

全身性エリテマトーデス(SLE)の発症機序は明らかではなく、成因としてウイルス感染や紫外線などが考えられています。

男性より女性に多く発症しやすい理由は、これらの成因に加えて妊娠・出産によるホルモンバランス(エストロゲン増加)が関係があるとみられています。

3=×:関節リウマチでは、蝶形紅斑ではなく、関節痛がみられるため、誤った選択肢です。

前述のとおり、蝶形紅斑とは、顔に蝶のような皮膚の赤みがみられる症状で、全身性エリテマトーデス(SLE)の典型的な症状です。

関節リウマチは、関節炎を中心とした全身性の炎症疾患です。
皮膚症状として発赤や紫斑がみられても、蝶形紅斑はみられません。

4=×:シェーグレン症候群では、涙液分泌の低下がみられるため、誤った選択肢です。

シェーグレン症候群とは、自己免疫の異常により唾液腺や涙腺の組織が崩壊することで、ドライアイ口腔乾燥がみられる免疫疾患です。

なぜ自己免疫が異常をきたすかは明らかになっていません(指定難病)。

機序が明らかでないので、シェーグレン症候群=乾燥と覚えておきましょう。

5=×:食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、IgE依存性であるため、誤った選択肢です。

アトピーや喘息、食物アレルギー、アナフィラキシーショックなどのいわゆるアレルギー反応はIgE抗体によって引き起こされます。

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