【第34回(2020年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問10 社会「水質(上・下水道)」

34-010 上・下水道および水質に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)急速ろ過法では、薬品は用いられない。
(2)末端の給水栓では、消毒に用いた塩素が残留してはならない。
(3)水道水の水質基準では、一般細菌は検出されてはならない。
(4)活性汚泥法は、嫌気性微生物による下水処理法である。
(5)生物化学的酸素要求量が高いほど、水質は汚濁している。

正解:5

【解説】
1=×:急速ろ過法では、薬品(凝集剤)を用いる。

急速ろ過法では、汚れた水を素早くろ過するために、凝集剤(ポリ塩化アルミニウムなど)で細かな粒子を集めてろ過しやすくしています。

2=×:末端の給水栓では、消毒に用いた塩素が残留しても許容される。

3=×:水道水の水質基準では、大腸菌は検出されてはならない。一般細菌は微量ならば許容される。

水道水で大腸菌が唯一検出されてはならないという基準となっているのは、大腸菌があるということは、水が糞便に汚染されていることを示唆しており、赤痢菌、疫痢菌、チフス菌等の病原菌が含まれるおそれがあるためです。

水道水において一般細菌の検出は微量ならば許容されます。これは100個/mL以下の細菌数ならばコレラやチフスが発生しないことを根拠としています。

4=×:活性汚泥法は、好気性微生物による下水処理法である。

水のろ過には微生物も活用され、好気的微生物と嫌気的微生物のうち、好気的微生物が広く用いられています。

嫌気的微生物は増殖速度が遅いため、ろ過に時間がかかり、ろ過のため硝酸などを追加する必要がああります。

また、そのままだと水質基準を満たせないため、追加の処理を行う必要がある。その点、好気的微生物では酸素を送り込むだけで汚泥の分解ができ、安価に水質をすばやく向上できるという利点があります。

5=○:生物化学的酸素要求量が高いほど、水質は汚濁している。


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