【第33回(2019年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問5社会「スクリーニング検査」

33-005 疾病のスクリーニングに関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)ROC曲線は、縦軸を敏感度、横軸を特異度として描く。
(2)偽陽性率は、敏感度を高くすれば低くなる。
(3)敏感度と特異度が一定の場合、陽性反応的中度は、有病率が高くなると低くなる。
(4)スクリーニング検査は、有病率が高い疾病に適している。
(5)スクリーニングは、疾病の診断を目的とする。

正解:4

【解説】
1=×:ROC曲線は、縦軸を敏感度、横軸を1-特異度(偽陽性率)として描く。

敏感度とは、ある検査のうち陽性と判定される割合のことです。敏感度を高めれば、陽性と判定される人が増えますが、疾患がないのに陽性と判定される人も多くなります。したがって、敏感度が高ければ、偽陰性率も低くなります。

特異度とは、敏感度とは真逆で、ある検査のうち陽性と判定される割合のことです。特異度を高めれば、陰性と判定される人が増えますが、疾患があるのに陰性と判定される人も多くなります。

2=×:偽陽性率は、敏感度を高くすれば高くなる。

偽陽性率とは、疾患がないにもかかわらず陽性と判定される割合のことです。一方、偽陰性率とは、疾患があるにもかかわらず陰性と判定される割合のことです。

3=×:敏感度と特異度が一定の場合、陽性反応的中度は、有病率が高くなると高くなる。

陽性反応的中度とは、疾患があって陽性と判定される割合のことです。いわば、真の陽性率といえます。疾患がある人の割合=有病率が高ければ、その有病者が陽性と判定されるため、陽性反応的中率は有病率に比例します。

4=○:スクリーニング検査は、有病率が高い疾病に適している。

5=×:スクリーニングは、疾病を暫定的に識別して早期発見することを目的とする。

スクリーニングで陽性と判定されても、すなわち疾患ありと診断はできません(診断基準は別途、学会の定める診療ガイドラインなどで示されています)。したがって、スクリーニング検査は、あくまで診断の優先順位をつけるための一手段であり、早期発見のための手段です。

0
error: Content is protected !!