【第33回(2019年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問109教育「栄養教育におけるアセスメント項目」

33-109 栄養教育前に実施するアセスメントの項目例とその調査方法の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)腹囲――――臨床検査
(2)1日のエネルギー消費量――――文献調査
(3)栄養成分表示の活用状況――――食事調査
(4)栄養情報の入手可能性――――質問紙調査
(5)健康観――――観察法

正解:4

【解説】

栄養教育を実施する前には、対象者(学習者)の栄養課題を把握する必要があります。

そのためには身体状況や食事の摂取状況、日常生活などを調べて評価します。これが栄養教育におけるアセスメントです。

1=×:腹囲の測定は臨床検査ではなく身体測定に当たるため、誤った選択肢です。

腹囲を把握することで健康状況を把握できるため栄養教育のアセスメント項目です。
臨床検査は、血液検査や生化学検査、生理的検査など、傷病の状態を把握するため検査ですが、腹囲の測定は身体測定に当たります。

2=×:1日のエネルギー消費量の測定方法は、直接熱量測定法や間接熱量測定法によって行うため、誤った選択肢です。

直接熱量測定法とは、運動で発生した熱量を直接測定する方法です。

調査対象者が運動を行うことで熱が放出されます。放出された熱を水で吸収し、上昇した水温の差から熱の発生量=エネルギー消費量を算出します。

一方、間接熱量測定法とは、呼気からエネルギー消費量を算出する方法です。

ヒトがエネルギーを消費する際には酸素を必要とします。
そこで、吸気と呼気の酸素量から体内で消費したエネルギー量を間接的に算出します。

文献調査では目の前にいる栄養教育を行う対象者のエネルギー消費量はわかりません。

3=×:栄養成分表示の活用状況の把握は、食事調査ではなく質問紙調査やインタビューなどで行うため、誤った選択肢です。

食事調査は食事内容や頻度を把握する調査であり、栄養成分表示を活用しているかという対象者の知識レベルを把握する調査ではありません。

食事に関連した知識レベルや食行動について把握する調査としては、質問紙調査などが適切です。

4=○:栄養情報の入手可能性の把握は、質問紙調査やインタビューなどで行うため、正しい記述です。

5=×:健康観の把握は質問紙調査やインタビューなどで行うため、誤った選択肢です。

観察法では食行動という外観的な情報は把握できますが、対象者の考えや健康観までは外側からの観察では把握できないため、不適切です。


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