【第34回(2020年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問4 社会「ランダム化比較試験」

34-004 ランダム化比較試験に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)利益相反の関係にある企業の商品は評価できない。
(2)無作為割り付けを行う前に、インフォームド・コンセントを得る。
(3)介入群は患者集団から、対照群は一般集団から無作為抽出する。
(4)参加者の希望により、割り付け後でも群の変更ができる。
(5)未知の交絡因子を制御しにくい。

正解:2

【解説】
1=×:利益相反の関係にある企業の評価はできない ということはありません。

利益相反とは、個人の立場としての利益と、個人的な利益とが相反する状態をいいます。

研究者としての利益と私人である個人としての利益が一致すると、評価する企業から報酬を貰おうとする自分の利益追及のために、評価対象となる企業の研究結果を歪めてしまうおそれがあるため、利益相反関係にある企業を明示して、研究の透明性を保とうというのが利益相反の考えです。

利益相反(COI)が明示されれば、利益関係の有無にかかわらず企業に対しての評価もできます。

2=○:無作為割付とは、治療効果が見込める介入研究を行う際にを行う前に、対象となる集団を治療を試す群(介入群)と、何もしない群(対照群)に分ける際に、その分け方に不公平が内容に無作為=ランダムに割付(分割)することです。

まだ治療効果を得られるかわからない段階での研究なので、治療効果を見込める介入群には、不利益を被るかもしれないことを、何もしない対照群には治療の恩恵に預かれないことについて、試験に参加される方にインフォームドコンセント=同意を得る必要があります。

3=×:介入群も対照群も、治療効果を試そうとする患者集団から無作為に抽出します。

こっちは病気な人の集まり、こっちは健康な人の集まりというように、対照となる集団の属性を変えてしまうと、比較対照にならないので、同じ属性(この場合、同じ疾患をもつ患者)の集団を母集団とします。

4=×:参加者の希望があっても、割り付け後の群の変更はできないため、誤った選択肢です。

ヒトを対象とした研究倫理の根拠となっているのは、ヘルシンキ宣言です。

ヘルシンキ宣言のインフォームド・コンセントの章には、研究参加者について次のように記されています。

被験者候補は、いつでも不利益を受けることなしに研究参加を拒否する権利または参加の同意を撤回する権利がある

したがって、研究に参加した患者の権利は研究中も尊重されるため、患者(参加者)は研究途中で参加の辞退・中断を申し込むことなどができます

しかし、研究途中で介入群と対照群とを変えるという研究自体を変えるような変更は、研究自体が正確でなくなるため、できません

5=×:交絡因子とは、成因と結果に影響を与える要因(因子)のことです。
ランダム化比較対照試験では、成因と結果の関係が純粋にわかるよう、母集団の属性が偏らないようランダムにして条件を揃えたり、集団に与える効果・介入なども統一感のあるものにします。

これにより、交絡因子を明らかにしやすいため、ランダム化比較試験は未知の交絡因子を比較的制御しやすい研究といえます。

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