【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問112 臨床「クリニカルパス」

35-112 クリニカルパスに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)入院患者は対象としない。
(2)時間軸に従って作成される。
(3)バリアンスとは、標準的な治療の内容をいう。
(4)アウトカムとは、逸脱するケースをいう。
(5)医療コストは増加する。

正解:2

【解説】
クリニカルパスとは、治療や検査の標準的な経過を説明するため、治療予定をスケジュール表のようにまとめた診療計画書をいいます。

(1)×:クリニカルパスは、入院患者を対象とする。
クリニカルパスは、治療の標準化や治療にかかわる患者をはじめ、多職種の医療従事者にとっての共通の治療スケジュールですので、入院患者はその対象となります。

また、クリニカルパスは、主に入院時に作成されていましたが、近年は外来・在宅患者のいずれであっても対象として作成されています。

(2)○:クリニカルパスは、時間軸に従って作成される。

(3)×:バリアンスとは、クリニカルパスから逸脱するケースをいう。
標準的な治療をスケジュール化したクリニカルパスによって治療が進められますが、クリニカルパスで設定していないような事象も発生します。

例えば、なんらかの理由による治療の中断や、予想外の合併症の発生は、クリニカルパスから逸脱していますので、バリアンスに当たります(負のバリアンス)。

一方、予想よりも患者の回復が良好で予定よりも早い退院などは正のバリアンスとなります。

(4)×:クリニカルパスにおけるアウトカムとは、臨床上の成果をいう。
治療を行う対象となった患者における検査値の増減や合併症の発生率、再発率や死亡率など、治療を行った成果のことをアウトカムといいます。

(5)×:クリニカルパスにより、医療コストは減少する。
クリニカルパスは、行うべき治療を標準化するため、治療が効率化されて医療コストを抑制できます。また、治療をスケジュール管理することで、入院・治療期間も既定日数内に収めやすくなるため、医療コストを減少させることに役立ちます。

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