【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問74 基礎「脂質の代謝」

35-074 脂質の代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)ホルモン感受性リパーゼの活性は、インスリンにより亢進する。
(2)脂肪細胞内のトリグリセリドは、主にリポたんぱく質リパーゼにより分解される。
(3)食後は、肝臓でケトン体の産生が促進する。
(4)カイロミクロンは、小腸上皮細胞で合成される。
(5)VLDL のトリグリセリド含有率は、カイロミクロンより高い。

正解:4

【解説】
(1)×:ホルモン感受性リパーゼの活性は、アドレナリンにより亢進する。

(2)×:脂肪細胞内のトリグリセリドは、主にホルモン感受性リパーゼにより分解される。

(3)×:食後は、肝臓でケトン体の産生が抑制する。
ケトン体の産生は、エネルギー不足の場合に亢進します。
食後は十分にエネルギー源がありますので、ケトン体の代謝・産生が抑制され、グルコースの代謝が進みます。

(4)○:カイロミクロンは、小腸上皮細胞で合成される。
食物の脂質は小腸で吸収され、肝臓へ運ばれる際にカイロミクロンになります。
したがって、カイロミクロンは小腸の上皮細胞で食物に含まれる脂質から合成されます。

(5)×:VLDL のトリグリセリド含有率は、カイロミクロンより低い。
小腸から吸収された脂質はカイロミクロンとなります。
カイロミクロンは単に脂質の塊ではなく、血液運搬に馴染むようたんぱく質(アポたんぱく質)に覆われた、リポたんぱく質です。

したがって、小腸から吸収されたばかりのカイロミクロンは、リポたんぱく質で最もトリグリセリドを多く含みます

カイロミクロンは肝臓に運ばれて、VLDL(超低比重リポたんぱく質)に合成されます

VLDLは肝臓で作られて全身で利用するエネルギー源として利用されるトリグリセリドが半分を占め、残りは、全身での細胞膜の材料となるコレステロール、これらを包みながら血液での運搬に馴染むための親水性の粒を構成するリン脂質とアポたんぱく質で構成されています。

血液に運ばれて末梢組織にエネルギー源=トリグリセリドを渡すと、VLDLはトリグリセリドの含有量を減らしたLDL(低比重リポたんぱく質)となり、末梢組織にコレステロールを供給します

ここは脂質異常症を理解するための重要な知識なので、しっかり理解しましょう。

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