【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問75 基礎「コレステロール」

35-075 コレステロールに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)エストロゲンは、血中 LDL コレステロール値を上昇させる。
(2)コレステロールの合成は、フィードバック阻害を受けない。
(3)HDL は、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)の作用によりコレステロールを取り込む。
(4)コレステロールは、ペプチドホルモンの前駆体である。
(5)胆汁酸は、胆嚢で産生される。

正解:3

【解説】
(1)×:エストロゲンは、血中 LDL コレステロール値を低下させる。
女性ホルモンであるエストロゲンは、LDLコレステロールの異化・排泄を促進するため、血中LDLコレステロール値を低下させます。

LDLコレステロールは肥満の原因ですので、閉経後の女性が太りやすいのは、エストロゲンの分泌が低下することが理由の一つです。

(2)×:コレステロールの合成は、フィードバック阻害を受ける。
コレステロールの合成は、コレステロールの代謝物であるメバロン酸やコレステロール自体によって、コレステロールの産生を低下させるよう阻害するフィードバックを受けて、コレステロール産生量が調整されている。

(3)○:HDL は、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)の作用によりコレステロールを取り込む。
レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)とは、末梢細胞から受け取ったコレステロールにレシチンの脂肪酸を加えてコレステロールをエステル化する酵素です。

(4)×:コレステロールは、ステロイドホルモンの前駆体である。
コレステロールは、リン脂質と同じように細胞膜の材料となるだけでなく、ステロイドホルモンやビタミンDの前駆体(代謝を受ける前の化合物)です。

(5)×:胆汁酸は、肝臓で産生される。
胆汁酸は、肝臓でコレステロールが代謝を受けて、ビリルビンなどを材料に合成されます。

肝臓で産生された胆汁酸は、胆嚢に貯蔵されますが、胃で消化をうけた食べ物が十二指腸を通過する際に、食べ物の脂質をミセル化するために胆嚢から分泌されます

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