【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問21 人体「アミノ酸・糖質・脂質の代謝」

35-021 アミノ酸・糖質・脂質の代謝に関する記述である。 最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)ドーパミンは、グルタミン酸から生成される。
(2)バリンは、糖原性アミノ酸である。
(3)ヒスタミンは、チロシンの脱炭酸反応によって生成される。
(4)ペントースリン酸回路は、NADH を生成する。
(5)コレステロールは、生体のエネルギー源になる。

正解:2

【解説】
(1)×:ドーパミンは、チロシンから生成される。
チロシンは、不可欠(必須)アミノ酸であるフェニルアラニンが酵素の働きを受けてヒドロキシル化されると生成されます。

チロシンがヒドロキシル化を受けるとLドーパ(レボドパ)が生成されます。
Lドーパからは神経伝達物質であるドーパミンやアドレナリンなどが生成されます。

(2)○:バリンは、糖原性アミノ酸である。
糖原性アミノ酸とは、糖新生でグルコースになりえるアミノ酸のことです。

バリンとイソロイシンは、スクシニルCoAに変換されオキサロ酢酸となり、ホスホエノールピルビン酸を経由して、最終的には糖新生(グルコースの合成)に利用されます

(3)×:ヒスタミンは、酵素から代謝を受けてヒスチジンから生成される。
チロシンの脱炭酸反応によって生成されるのは、チラミンです。

(4)×:ペントースリン酸回路は、NAPDH を生成する。
ペントースリン酸回路とは、グルコースからペントース(五炭糖)とNAPDH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)を得るための回路です。

ペントースは核酸の材料となり、NADPHは脂肪酸を合成するための補酵素となります。

(5)×:コレステロールは、細胞膜やホルモンの材料となる。
生体のエネルギー源となるのは、中性脂肪(トリグリセリド)です。

コレステロールと脂肪は似ている感じがしますが、コレステロールはエンジン、脂肪はガソリンのような関係です。

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