【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問19 人体「脂質(レシチン)」

35-019 ホスファチジルコリン(レシチン)に関する記述である。 最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)単純脂質である。
(2)ミトコンドリアで合成される。
(3)胆汁に含まれる。
(4)骨基質の主要な有機成分である。
(5)トリプシンで分解される。

正解:3

【解説】
(1)×:ホスファチジルコリンは、複合脂質である。
脂質には、中性脂肪(トリグリセリド)のように、グリセロールと脂肪酸だけで構成される単純脂質と、脂質以外のもの(リン酸、糖類、窒素化合物など)と結合して構成される複合脂質、単純脂質や複合脂質が加水分解されて生じる誘導脂質があります。

複合脂質には、グリセロリン脂質スフィンゴ脂質があります。

ホスファチジルコリンは、リン脂質の複合脂質にあたり、ホスファチジン酸(ジアシルグリセロールの一種)に、コリン(グリセロリン脂質の一種)が結合している複合体です。

リン脂質という複合脂質は、脂質という水に馴染まない(疎水)物質とリンという水に馴染む(親水)物質が合わさった物質であり、水と脂のどちらも取り込む必要がある細胞膜は、リン脂質で構成されています。

(2)×:ホスファチジルコリン(レシチン)は、細胞質ゾルで合成される。

(3)○:ホスファチジルコリン(レシチン)は、胆汁に含まれる。
胆汁に含まれるホスファチジルコリン(レシチン)は、その親水性と疎水性により、水に溶けにくい脂肪をミセル化(親水部を外側に、疎水部を内側にした泡)することで、消化・吸収しやすくします。

(4)×:ホスファチジルコリン(レシチン)は、細胞膜の主要な有機成分である。
なお、骨基質の主要な有機成分であるのは、コラーゲンです。

(5)×:ホスファチジルコリン(レシチン)は、ホスホリパーゼで分解される。
なお、トリプシンは膵液に含まれるたんぱく質の分解酵素です。


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