【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問18 人体「アミノ酸とたんぱく質」

35-018 アミノ酸とたんぱく質に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)ロイシンは、芳香族アミノ酸である。
(2)γ-アミノ酪酸(GABA)は、神経伝達物質として働く。
(3)αヘリックスは、たんぱく質の一次構造である。
(4)たんぱく質の二次構造は、ジスルフィド結合により形成される。
(5)たんぱく質の四次構造は、1本のポリペプチド鎖により形成される。

正解:2

【解説】
(1)×:ロイシンは、分枝アミノ酸である。
筋肉の合成に必要な必須(不可欠)アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシンです。

国試では芳香族アミノ酸は、ほとんど誤答としてしか出題されません。
よくわからなかったら芳香族アミノ酸は選ばない、というのも国試攻略法の一つです。

(2)○:γ-アミノ酪酸(GABA)は、神経伝達物質として働く。

(3)×:αヘリックスは、たんぱく質の二次構造である。
たんぱく質の構造は一次構造から四次構造まであります。
一次構造は、アミノ酸がペプチド結合によってつながって並んだ単純な一本鎖構造です。
アミノ酸の結合数が増えていくとアミノ酸鎖はどんどん長くなっていくので、アミノ酸をコンパクトに折りたたむ必要があります

二次構造は、一本鎖のアミノ酸のペプチド鎖(一次構造をとっているアミノ酸)を折りたたんでコンパクトにしている構造の1つで、αヘリックス構造やβシート構造を特徴としています。

αヘリックス構造は、アミノ酸のペプチド鎖がらせん状にねじてれている構造、βシート構造は、アミノ酸のペプチド鎖が平面を構成するシート状となって折りたたまれている構造です。

(4)×:たんぱく質の二次構造は、水素結合により形成される。
たんぱく質の二次構造としてらせん状やシート状となっているアミノ酸は、水素結合によって安定しています。

ジスルフィド結合とは、たんぱく質の三次構造における結合の1つです。
三次構造を支える結合には、水素結合、静電結合、疎水結合、ファンデルワールス力、S-S結合(ジスルフィド結合)などがありますが、国試対策としては、ペプチド結合や水素結合でなければ、三次構造での結合と覚えましょう。

(5)たんぱく質の四次構造は、2本以上のポリペプチド鎖により形成される。
たんぱく質の四次構造は、三次構造(サブユニット)の集合体です。
1本のポリペプチド鎖により形成されているのは、一次構造です。

三次構造では2本以上のアミノ酸ペプチド鎖で構成されています。
そのような三次構造をもつサブユニット同士が水素結合や疎水結合により結合しているのが、四次構造です。

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