【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問17 人体「ヒトの細胞の構造と機能」

35-017 ヒトの細胞の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)細胞膜には、コレステロールが含まれる。
(2)核では、遺伝情報の翻訳が行われる。
(3)プロテアソームでは、たんぱく質の合成が行われる。
(4)リボソームでは、グリコーゲンの合成が行われる。
(5)ゴルジ体では、酸化的リン酸化が行われる。

正解:1

【解説】
(1)○:細胞膜には、コレステロールが含まれる。

(2)×:核では、遺伝情報の転写が行われる。
遺伝子は、核にある二本鎖のDNAが開かれて、一本鎖のRNAに遺伝子情報が書き写されます(転写)。
遺伝子情報が転写されたRNAは、核外の細胞質へ出たのち、細胞小器官であるリボソームでRNAの塩基配列がアミノ酸配列に変換(翻訳)されて、たんぱく質を合成します。

翻訳と転写の違い、リボソームとリソソームの違いは国試頻出です。

(3)×:プロテアソームでは、たんぱく質の分解が行われる。
プロテアソームは、たんぱく質の分解酵素であるプロテアーゼが複数集まった複合体です。
ユビキチン化したたんぱく質を分解する働きがあります。

(4)×:リボソームでは、たんぱく質の合成が行われる。
グリコーゲンの合成=糖新生が行われる場所は、細胞質ゾルです。

(5)×:ゴルジ体では、細胞内でのたんぱく質の加工・輸送が行われる。
ゴルジ体は、粗面小胞体にあるリボソームから合成されたたんぱく質を受け取り、そのたんぱく質を糖鎖などを加えて加工した後、それらが働くべき部位へと輸送する働きがあります。

酸化的リン酸化とは、ADPにリン酸化によりリンが結合して、ATPとなる現象=ATP合成のことです。
ATP合成は、ミトコンドリアで行われます。

いずれの知識も高校で生物を履修していた人にとっては簡単な、国試頻出の基礎知識です。


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