【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問89 応用「妊娠期・授乳期の生理的変化」

35-089 妊娠期・授乳期の生理的変化に関する記述である。 最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)血漿フィブリノーゲン値は、妊娠期には低下する。
(2)糸球体濾過量は、妊娠期には減少する。
(3)体たんぱく質の蓄積量は、妊娠期には低下する。
(4)インスリン感受性は、妊娠期には上昇する。
(5)尿中カルシウム排泄量は、授乳期には減少する。

正解:5

【解説】
(1)×:血漿フィブリノーゲン値は、妊娠期には上昇する。
妊娠時にみられる生理的な変化の一つとして、循環血液量(身体を流れる血液量)の増加があります。
妊娠とは出産の準備段階ですので、胎児に供給する血液を増やす必要がありますし、出産時の出血にも備える必要があります

したがって、妊娠時には循環血液量は増加し、血液のうち液性部分である血漿が増加しますので、血漿成分、とりわけフィブリノーゲンは増加します。

血漿成分のうちフィブリノーゲンがとりわけ増加するのは、出産時の出血に備えて、止血にはたらく血液凝固因子であるフィブリノーゲンを増やす必要があるためです。

なお、妊娠時は血球(血液のうち赤血球など)の増加よりも血漿の増加の方が多くなるため血液の濃度は薄くなり、相対的に赤血球が減ることが妊婦は貧血になりやすい原因の1つとなっています。

(2)×:糸球体濾過量は、妊娠期には増加する。
妊娠時には循環血液量が増加するため、血液を濾過する糸球体濾過量も増加します。

(3)×:体たんぱく質の蓄積量は、妊娠期には上昇する。
妊娠時には出産に備えて身体が多くなり、胎盤も発達するため、それらの材料となる体たんぱく質はより蓄積されます。

一方、血清たんぱく質は体たんぱく質に利用されるため、低下します

(4)×:インスリン感受性は、妊娠期には低下する。
妊娠糖尿病という疾患があることから、糖尿病はインスリンが効きにくくなる疾患ですので、妊娠=インスリン感受性の低下はなんとなくイメージがあるのではないでしょうか。

妊娠時にインスリン感受性が低下する理由は、エネルギー源となる糖(グルコース)を胎児に送るためです。

(5)○:尿中カルシウム排泄量は、授乳期には減少する。
妊娠時には、胎児の骨や歯を形成するために、腸管からのカルシウム吸収量が増加し、尿中へのカルシウム排泄量は減少します。


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