【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問110 教育「栄養教育の評価」

35-110 総合病院において、訪問栄養食事指導の事業を開始して1年が経過した。事業に対する評価の種類と評価内容の組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)企画評価 ―――― 毎月の指導依頼件数を集計し、推移を分析した。
(2)経過評価 ―――― 訪問した患者と家族へのアンケートから、満足度を分析した。
(3)形成的評価 ―――― 1年分の栄養診断結果を集計し、事業のニーズを再分析した。
(4)影響評価 ―――― 訪問栄養食事指導による収入との比較で、管理栄養士の人件費を分析した。
(5)総合評価 ―――― 初回訪問時と最終訪問時の体重を比較した。

正解:2

【解説】
(1)×:企画評価は、この事例では例えば「訪問栄養食事指導の事業が、在宅患者への疾患改善などに有効であったか」など、計画したプログラム(事業・施策)自体に対しての評価が該当する。

(2)○:経過評価は、この事例では「訪問した患者と家族へのアンケートから、満足度を分析した」ことや「毎月の指導依頼件数を集計し、推移を分析した」ことが該当する。
経過評価とは、計画して実行したプログラム(事業・施策)が、どのように行われたという実施についての評価や、プログラムの実施途中での進捗評価をいいます。

(3)×:形成的評価は、この事例では「毎月の指導依頼件数を集計し、推移を分析した」ことが該当する。
形成的評価とは、実行しているプログラム(事業・施策)の途中で行われる評価をいいます。したがって、形成的評価は、経過評価と影響評価を含んだ評価となります。

なお、「1年分の栄養診断結果を集計し、事業のニーズを再分析した」ことは、実行したプログラム(事業・施策)が終了した時点で行った評価ですので、総括的評価に当たります。

(4)×:影響評価は、この事例では例えば「訪問栄養食事指導によって、患者の食事摂取量が増加した」ことなどが該当する。
影響評価とは、計画して実行したプログラム(事業・施策)によって、対象者に現れた変化・行動変容に対する評価をいいます。

なお、「訪問栄養食事指導による収入との比較で、管理栄養士の人件費を分析した。」ことは、経済評価に当たります。

(5)×:総合評価は、企画評価・経過評価・影響評価・経済評価などの対する総合的な評価が該当する。
「初回訪問時と最終訪問時の体重を比較した」ことは、実行したプログラム(事業・施策)が終了した時点で行った評価ですので、総括的評価に当たります。

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