【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問35 人体「呼吸器の構造・機能」

35-035 肺の構造、呼吸機能および酸素の運搬に関する記述である。 最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)右肺は、2葉からなる。
(2)肺静脈には、静脈血が流れている。
(3)肺胞で行われるガス交換を、内呼吸という。
(4)動脈血の酸素飽和度は、約40%である。
(5)ヘモグロビンの酸素解離曲線は、血液pHが低下すると右方向に移動する。

正解:5

【解説】
(1)×:右肺は3葉からなる。
左肺は、心臓があるため右肺より小さく、上葉と下葉の2葉からなっています

一方、右肺は左肺より大きく、上葉・中庸・下葉の3葉からなっています。

(2)×:肺静脈には、肺動脈が流れている。

(3)×:肺胞で行われるガス交換を、外呼吸という。
呼吸で取り込まれた酸素は肺にある肺胞まで送られ、肺胞は肺胞を取り囲む毛細血管から二酸化炭素を受けとり、その代わりに酸素を毛細血管に渡します。このような肺胞と血液とで行われる酸素と二酸化炭素の交換を、外呼吸といいます。

いわゆる呼吸は外呼吸に当たります。

一方、外呼吸で取り込まれた酸素は全身の細胞へと運ばれますが、血液から全身の細胞へ酸素を渡し、細胞から血液へと二酸化炭素を受けとります。このような細胞と血液とで行われる二酸化炭素と酸素の交換を、内呼吸(ないこきゅう)といいます。

外呼吸も内呼吸も酸素と二酸化炭素の交換なので、どちらもまとめてガス交換といいます。

(4)×:動脈血の酸素飽和度は、約97%である。
動脈はヘモグロビンが酸素を全身にとどける血液です。したがって、動脈血には酸素が多く含まれます。

ヘモグロビンは、酸素とより多く結合するために核やミトコンドリアがなく、効果的に酸素を運んでいます。
したがって、動脈血におけるヘモグロビンはほぼ100%が酸素と結合しているので、動脈血の酸素飽和度(酸素の結合度合い)は、96~98%となります。

(5)○:ヘモグロビンの酸素解離曲線は、血液 pH が低下すると右方向に移動する。
ヘモグロビンの酸素解離曲線とは、縦軸に酸素ヘモグロビン(ヘモグロビンと結合した酸素)の割合、横軸に酸素分圧(≒酸素の量)をとった曲線(グラフ)です。

酸素が増えれば酸素分圧も高まり、ヘモグロビンと結合する酸素(酸素ヘモグロビン)も高まります。

血液pHが低下するとは、血液が酸性に傾くことですから、血液中の酸素が多くなっているということです。
つまり、酸素分圧が高くなっているということなので、横軸の酸素分圧は高くなる=グラフの右側に移動するということです。

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