【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問48 食べ物「食品の物性」

35-048 食品の物性に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)大豆油は、非ニュートン流体である。
(2)コンデンスミルクは、擬塑性流動を示す。
(3)メレンゲは、チキソトロピーを示す。
(4)水ようかんは、キセロゲルである。
(5)マヨネーズは、油中水滴(W/O)型エマルションである。

正解:2

【解説】
(1)×:大豆油は、ニュートン流体である。
ニュートン流体とは、せん断応力(ずり応力)がせん断速度(ずり速度)に比例するような流体をいいます。

液体の入った容器を斜めに傾けて流そうとすると、表面から流体がずれて流れる(≒速度がでる)と思います。
同時に、その流れに比例して、流体がたわんでずれようとする力が働きます。これがせん断応力です。

ニュートン流体は、流れる速度(速度勾配)に比例して粘度も高くなる(流れやすくなる)ので、水、油、アルコール、はちみつなど大抵の流体はニュートン流体です。

大豆油は、速度勾配に比例して粘度も高くなる(流れやすくなる)ので、ニュートン流体です。

一方、ニュートン流体のような動きを示さない流体は、非ニュートン流体といいます。
非ニュートン流体は、ニュートン流体とは異なり、粘度が速度勾配に比例しない流体です。

(2)○:コンデンスミルクは、擬塑性流動を示す。
擬塑性流動とは、非ニュートン流動の1つで、ずり速度やずり応力が増加すると、粘度が減少して流れにくくなる流動体です。

(3)×:メレンゲは、ダイラタンシーを示す。
ダイラタンシーとは、最初は液体ですが、力を加えると固体のように硬くなる性質をいいます。
メレンゲは液状の卵白に対して、撹拌して力を食われることで固形化します。
したがって、メレンゲにはダイラタンシーがあります。

一方、チキソトロピーとは、最初は固体ですが、力を加えていくと液体のようにどんどん軟らかくなる性質をいいます。
チキソトロピーを示すものは、力を加えるのをやめると再び固体に戻る(可塑性がない)ものが多いです。

チキソトロピーを示す代表的なものとして、トマトケチャップ、マヨネーズなどがあります。

(4)×:水ようかんは、ヒドロゲル(ハイドロゲル)である。
ヒドロゲルとは、水を媒介させてゲル化(半固形化)したゲルをいいます。
水ようかんは、水の中に寒天と餡の粒子が網目状となってゲル化したものです。

一方、キセロゲルとは、ゲルが乾燥したものをいいます。

(5)×:マヨネーズは、水中油滴(O/W)型エマルションである。
マヨネーズは、水の中に油の滴が浮いているため、水中油滴(Oil/Water)型のエマルション(乳濁液)です。
水中油滴(O/W)型エマルションとして、牛乳、マヨネーズ、クリームがあります。

一方、油中水滴(W/O)型エマルションは油の中に水滴が浮いているものをいい、バターやマーガリンがあります。


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