【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問20 人体「酵素」

35-020 酵素に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)アポ酵素は、単独で酵素活性をもつ。
(2)酵素たんぱく質のリン酸化は、酵素活性を調節する。
(3)律速酵素は、他の酵素の活性を調節する酵素である。
(4)リパーゼは、脂肪酸を分解する。
(5)プロテインホスファターゼは、グリコーゲンを分解する。

正解:2

【解説】
(1)×:アポ酵素は、単独で酵素活性をもたない。
酵素にはそれ単独で活性をもつホロ酵素と、それ単独で活性を持たず、補酵素と結合して初めて活性をもつアポ酵素があります。

(2)○:酵素たんぱく質のリン酸化は、酵素活性を調節する。

(3)×:律速酵素は、代謝反応の全体の速度を決定している酵素である。
酵素はその活性により代謝を引き起こしますが、各代謝は順番に起こるため。最後に起きた代謝が、代謝反応全体のタイミング(起こる速さ)を決定しているといえます。

このように最後に代謝反応全体において最後の代謝を引き起こす酵素を、律速酵素といいます。、

(4)×:リパーゼは、脂肪を分解する。
膵臓で合成され、膵液に含まれるリパーゼは、脂肪を構成するエステル結合を加水分解する酵素です。

リパーゼのリパはlipo(脂肪)、アーゼは分解酵素を示すaseを由来とした名前ですので、覚えやすいですね。

脂肪がリパーゼで分解された後にできるのが、脂肪酸とグリセロールです。

(5)×:プロテインホスファターゼは、リン酸化されたたんぱく質を分解する。
なお、グリコーゲンを分解する酵素は、グリコーゲンホスホリラーゼなどです。

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