【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問30 人体「高血圧」

35-030 高血圧に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)レニン分泌の増加は、血圧を上昇させる。
(2)副交感神経の興奮は、血圧を上昇させる。
(3)孤立性収縮期高血圧は、若年者に多い。
(4)仮面高血圧は、診察室血圧が高血圧で、家庭血圧が正常であるものをいう。
(5)二次性高血圧は、本態性高血圧よりも患者数が多い。

正解:1

【解説】
(1)○:レニン分泌の増加は、血圧を上昇させる。
血中ナトリウム濃度が低下していることを感知して腎臓の傍糸球体細胞から分泌されるレニンは、血液中のアンジオテンシノーゲンからアンジオテンシンIを合成しますアンジオテンシンIはアンジオテンシン変換酵素(ACE)によってアンジオテンシンⅡに変換されます。

アンジオテンシンⅡは全身の動脈を収縮させるとともに、副腎皮質からアルドステロンを分泌させます。

アルドステロンはナトリウムを体内に溜める働きがあり、これにより循環血液量が増加して心拍出量と末梢血管抵抗が増加します

この一連の仕組みを、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAA系)といいます。
RAA系は血圧調整の核となる仕組みですので、必ず理解しましょう

(2)×:副交感神経の興奮は、血圧を低下させる。
副交感神経の興奮とは、身体がリラックスして、情報伝達物質(アセチルコリン)が心臓の拍出や血圧を低めて、全身を休ませようとする状態です。

一方、交感神経の興奮とは、身体が緊張・興奮して、情報伝達物質(アドレナリン)が心臓の拍出や血圧を高めて、全身にエネルギーを送り込む状態です。

ここでの“興奮”という用語に惑わされないように注意が必要です。
あくまで情報伝達が活発という意味での興奮であり、抑制系である副交感神経の興奮とは、身体がおちつくような情報伝達が活発になるということです。

(3)×:孤立性収縮期高血圧は、高齢者に多い。
孤立性収縮期高血圧とは、拡張期での血圧上昇を伴わず収縮期の血圧だけが上昇している高血圧のことです。
拡張期だけ高血圧となっていて、孤立しているという意味です。

高齢者では、動脈硬化が進むため、血管が弾力を失って、高血圧となります

また、動脈硬化では大動脈での弾力も失い伸展性が小さくなるため、ここに貯留される血液量が少なくなるので、収縮期血圧は高く、拡張期血圧は低くなります

若い人の場合は、動脈硬化がないために収縮期も大動脈に十分な血液が貯留されて、拡張期に送られる血液量は増えるので、拡張期血圧は維持されます。

(4)×:仮面高血圧は、診察室血圧が高血圧で、家庭血圧が正常であるものをいう。
仮面高血圧とは、医療従事者が血圧を測定した際には正常な血圧となるものの、医療従事者や診察室ではないところで血圧を測定した場合に血圧が高値となる高血圧です。

本当は高血圧なのに、医療従事者の前では仮面をつけて高血圧だと見せないために、このように呼ばれています。

一方、診察室血圧が高血圧で、家庭血圧が正常であるものは白衣高血圧といいます。
診察室で白衣の医療従事者を見て、緊張して血圧が高値となることです。

(5)×:二次性高血圧は、本態性高血圧よりも患者数が少ない。
二次性高血圧とは、疾患や薬剤などが原因で副次的に生じる高血圧のことです。

一方、本態性高血圧とは、疾患をもたないのに何らかの原因で生じている高血圧です。

わが国の高血圧の約90%は、本態性高血圧です。

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