【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問40 人体「免疫反応」

35-040 免疫・生体防御に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)唾液は、分泌型 IgA を含む。
(2)B細胞は、胸腺で成熟する。
(3)T細胞は、免疫グロブリンを産生する。
(4)アナフィラキシーショックは、IgG が関与する。
(5)ワクチン接種による免疫は、受動免疫である。

正解:1

【解説】
(1)○:唾液は、分泌型 IgA を含む。

(2)×:B細胞は、骨髄で成熟する。
B細胞は免疫細胞の一つで、骨髄(bone marrow)で産生・成熟するため、B細胞と命名されたそうです。
なお、胸腺で成熟するのはT細胞です。

(3)×:T細胞は、炎症性サイトカインを産生・分泌する。
T細胞は、キラーT細胞やヘルパーT細胞などに分化し、ウイルスなどの異物の排除を担うリンパ球です。
インターフェロンやインターロイキンなどの炎症性サイトカインを産生・分泌して、ウイルスなどの異物を攻撃します。

なお、免疫グロブリンを産生するのは、B細胞です。

(4)×:アナフィラキシーショックは、IgEが関与する。
B細胞から産生・分泌される免疫グロブリン(抗体)には、IgA・IgE・IgM・IgG・IgDの5種類があります。

このうち、アレルギー反応に関係するのはIgEです。

(5)×:ワクチン接種による免疫は、能動免疫である。
受動免疫とは、抗原に対する抗体を対外から持ってきて、体内にいれることで獲得する免疫のことです。
自分で抗体を作らないで、既存の抗体を受け入れる受け身の姿勢の免疫といえます。

一方、能動免疫とは、ワクチン(抗原)をあえて体内に入れることで、体内で抗原に対する抗体がつくられるという体が本来備えている防御機構(免疫)を刺激することで獲得する免疫のことです。

積極的に抗原を取り込みに行っているので、能動的な免疫といえます。


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