【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問41 人体「免疫疾患」

35-041 自己免疫疾患とその特徴的な症候の組合せである。 最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)強皮症――――――――――食道蠕動の亢進
(2)シェーグレン症候群――――涙液分泌の増加
(3)バセドウ病――――――――徐脈
(4)橋本病――――――――――皮膚の湿潤
(5)全身性エリテマトーデス――蝶形紅斑

正解:5

【解説】
(1)×:強皮症では、食道蠕動が抑制される。
強皮症は、なんらかの原因で皮膚や内臓が硬化する自己免疫疾患です。
食道も線維化・硬化するため、食道蠕動は低下します

(2)×:シェーグレン症候群では、涙液分泌が減少する。
シェーグレン症候群は、なんらかの原因で唾液腺や涙腺などが攻撃される自己免疫疾患です。
したがって、シェーグレン症候群ではドライアイやドライマウス(口渇)がみられます

(3)×:バセドウ病では、頻脈がみられる。
バセドウ病とは甲状腺機能亢進症の一つで、自己免疫の異常により甲状腺が攻撃されることで、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される疾患です。

甲状腺ホルモンは代謝を促進するため、全身に血液を送ろうと心拍数が増加して頻脈となります。

(4)×:橋本病では、皮膚の乾燥がみられる。
橋本病は甲状腺機能低下症の一つで、自己免疫の異常により甲状腺が攻撃されることで、甲状腺ホルモンの分泌が低下する疾患です。

甲状腺ホルモンは代謝を促進するため、甲状腺ホルモンが不足して代謝が低下すると、皮膚のターンオーバーも低下して、皮膚の水分保持機能が低下するため、皮膚が乾燥します

(5)○:全身性エリテマトーデスでは、蝶形紅斑がみられる。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、なんらかの原因で自己免疫が全身を攻撃することで、全身に炎症を生じる疾患です。

SLEでは、顔面にも炎症を生じて、蝶が羽をひらいたような形の赤い斑点が特徴的にみられます。


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