【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問5 社会「スクリーニング検査」

35-005 疾病 A のスクリーニング検査の評価指標に関する記述である。 最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)敏感度は、検査で陽性である者のうち、疾病 A がある者の割合である。
(2)特異度は、検査で陰性である者のうち、疾病 A がない者の割合である。
(3)陽性反応的中度は、検査を行う集団における疾病 A の有病率の影響を受ける。
(4)カットオフ値を高くすれば、敏感度と特異度は高くなる。
(5)ROC 曲線は、縦軸を敏感度、横軸を(1-偽陽性率)として描く。

正解:3

【解説】

(1)×:敏感度は、疾病Aの検査のうち、陽性と判定される者の割合である。
検査で陽性と判定される者とは、本当に疾病Aに罹っていて陽性と判定される者と、疾病Aに罹っていないが陽性と判定される者がある。この前者にあたる、本当に疾病Aに罹っていて陽性と判定される者が検出される割合を、陽性反応的中度という。

(2)×:特異度は、疾病Aの検査のうち、陰性と判定される者の割合である。
検査で陰性と判定される者とは、本当に疾病Aに罹っておらず陰性と判定される者と、疾病Aに罹っているにもかかわらず陰性と判定される者がある。この前者にあたる、本当に疾病Aに罹っておらず陰性と判定される者が検出される割合を、陰性反応的中度という。

(3)〇:陽性反応的中度は、検査を行う集団における疾病 A の有病率の影響を受ける。
陽性反応的中度は、実際に疾病に罹患している者のうち、陽性と判定される者の割合です。集団における疾病 A の有病率とはつまり、実際に疾病に罹患している者の割合のことですので、陽性反応的中度は、有病率の影響を受けます。

(4)×:カットオフ値を高くすれば、敏感度は低くなり、特異度は高くなる。
カットオフ値とは、特定の疾患に罹患したり、罹患するリスクがあるということを分ける(陽性であると判定する)基準となる値のことです。カットオフ値を低くする(=疾患に罹患していると判定する値を小さくする)ことになれば、すこしの敏感度でも疾患に罹患している(陽性である)割合は高くなりますから、敏感度は高くなります。

一方、カットオフ値を低くすれば、ほとんど陽性と判定されますので、特異度(疾患に罹患していない人が真に陰性と判定される割合)は小さくなります。つまり、カットオフ値の設定において、敏感度と特異度は片方が高ければもう一方は低くなるというトレードオフ(シーソー)の関係にあります。

逆に、カットオフ値を高くすれば、なかなか陽性と判定できませんから、敏感度は低くなりますし、特異度は高くなります。

(5)×:ROC曲線は、縦軸を敏感度、横軸を1-特異度(偽陽性率)として描く。

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