【第35回(2021年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問31 人体「腎・尿路系の構造・機能」

35-031 腎・尿路系の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)糸球体を流れる血液は、静脈血である。
(2)ボーマン嚢は、糸球体の中にある。
(3)尿細管は、腎盂から膀胱までの尿路である。
(4)原尿は、膀胱に溜まる尿である。
(5)尿の浸透圧の変動は、血漿の浸透圧の変動より大きい。

正解:5

【解説】
(1)×:糸球体を流れる血液は、動脈血である。
糸球体は、腎臓にある毛細血管であり、腎臓循環の輸入細動脈から輸出細動脈へと流れでています

糸球体からつながる毛細血管は、水や栄養素の再吸収を受けられるよう尿細管と並行しており、集合管の付近を並走後、腎静脈へとつながります

つまり、糸球体は、末梢にある通常の毛細血管のように動脈血と静脈血がすぐにつながっているのではななく、動脈血が静脈血へと行く前に尿細管と並走する部分があるということです。

(2)×:ボーマン嚢は、糸球体の外にある。
糸球体という動脈毛細血管を外側から包んでいるのが、ボーマン嚢です。

糸球体とそれをつつむボーマン嚢のセットを腎小体といい、腎小体と尿細管をセットでネフロンといいます。

(3)×:尿細管は、糸球体から腎盂までの尿路である。
腎盂から膀胱までの尿路は、尿管といいます。

尿細管で尿ができたのちに、尿管を通じて膀胱へ運ばれ、膀胱から尿道を通じて排泄器へ運ばれて、排泄されます。

(4)×:原尿は、糸球体を流れる尿である。
原尿は、糸球体で濾過された血液で、尿の元となるものです。
したがって原尿は、尿細管を流れます。

膀胱に溜まる尿とは、尿のことです。
膀胱は約300~600mLの容量があり、尿が約200mLを超えると尿意を生じるとされます。

また、1日の尿量が500mL以下乏尿とされ、100mL以下無尿とされます。

(5)○:尿の浸透圧の変動は、血漿の浸透圧の変動より大きい。
尿は、体水分量によって濃縮率がかわります。
体水分量が少なければ、水分を失わないよう尿は濃縮されて尿量が減りますし、体水分量が多ければ、尿量は増えます。

血漿浸透圧は約280mOsm/Lですが、尿の浸透圧は濃縮の度合いにより、50~1,300 mOsm/Lまで変動します。


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