【第34回(2020年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問15 社会「国民医療費」

最近の国民医療費に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)国民医療費は、後期高齢者医療給付分を含む。
(2)国民医療費は、正常な妊娠や分娩に要する費用を含む。
(3)1人当たりの国民医療費は、年間約20万円である。
(4)65歳以上の1人当たり国民医療費は、65歳未満の約2倍である。
(5)傷病分類別医科診療医療費が最も高い疾患は、新生物である。

正解:1

【解説】
1=○:国民医療費は、後期高齢者医療給付分を含みます。

国民医療費を制度別にみると、国民医療費の約半分は、医療保険料でまかなわれています。残り約25%が後期高齢者医療給付、もう約25%は患者負担と公費負担でまかなわれています。

2=×:国民医療費は、正常な妊娠や分娩に要する費用を含みません。

これも国試定番の選択肢で、正常な妊娠・分娩や健康診断・予防接種など、健康なものにかかわる費用は国民医療費に含まれません

3=×:1人当たりの国民医療費は、年間約33万円である。

これは暗記する数値です。国民医療費は平均すると1人当たり約33~34万円/年で推移しています。

4=×:65歳以上の1人当たり国民医療費は、65歳未満の約3~4倍である。

65歳未満の非高齢者の国民医療費は、約19万円ですが、65歳以上の高齢者では約73万円です(「平成30年国民医療費の概況」)。
医科診療費だけでみれば、65歳未満は約12万円に対して、65歳以上では約55万円となっており、およそ4倍の差があります。65歳以上人口は約3,600万人(総務省「統計からみた我が国の高齢者」)で、これを支える15~64歳(従属人口)は約7,500万人となっています。

5=×:傷病分類別医科診療医療費が最も高い疾患は、心疾患である。

新生物=がんは年齢調整死亡率が最も高い疾患ですが、医療費の占める割合としては、心疾患に次いで2番目です。

心疾患は、心不全のような死因の第2位を占める疾患だけでなく、高血圧など患者数が多く罹患期間も長い疾患も含むため、医療費がかかっているということが推察できます。

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