【第34回(2020年)管理栄養士国家試験過去問解答・解説】問24人体「臨床検査」

34-024 臨床検査に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)心電図検査は、画像検査である。
(2)X線検査は、生理機能検査である。
(3)超音波検査は、妊娠中には禁忌である。
(4)スパイロメトリは、拘束性肺障害の診断に用いられる。
(5)核磁気共鳴イメージング(MRI)検査では、放射線被曝がある。

正解:4

【解説】
1=×:心電図は、画像検査ではなく、生理機能検査に当たるため、誤った選択肢です。

心電“図”だから、画像だと思わせるひっかけ問題です。
心電図は、心臓に流れる微量な電気を感知して、その電気信号の大きさを増幅して、お馴染みの波形を描くようにしたものです。

人間にある電気信号という生理機能を使った検査なので、生理機能検査に当たります。

2=×:X線は生理機能検査ではなく、画像検査ですので、誤った選択肢です。

生理機能検査は、人間の生理機能を用いた検査です。
X線は人間の生理機能を使った検査というより、造影剤にX線が反射するのを利用して、内臓の形を映像にする検査です。

3=×:超音波検査は妊婦に利用できる検査なので、誤った選択肢です。
X線のように放射線を使わないので、放射線被曝がないため、妊婦のお腹にいる赤ちゃんに影響がないよ、という主旨です。

4=○:スパイロメトリーとは、ホース状の呼吸検査機に息を吐き出すことで、肺の機能を測る検査です。

肺にいっぱい空気をためて吐き出すときの空気量を、努力性肺活量(FVC)といいます。

努力性肺活量(FVC)のうちの最初の1秒間に吐き出された空気の量を1秒量(FEV1.0)といい、努力性肺活量に対する1秒量の割合を1秒率(FEV1.0/FVC)といいます。

また、年齢などから予想される肺活量に対して現在どの程度肺活量があるかを%肺活量といい、実測した1秒量に対しての割合を%1秒量(%FEV1.0)といいます。
これらから呼吸器に機能低下がないかを判断します。

肺活量が低下するのは、肺(肺胞)がしっかり伸縮できなくて酸素を取り込めないか、肺への気管が詰まって酸素が送られてないかが考えられます。

肺が伸縮できないことによる呼吸障害を拘束性肺障害、気管が詰まることによる呼吸障害を閉塞性肺障害といいます。

スパイロメトリは、肺活量を測ることで肺機能を評価し、%1秒量が80%以下なら肺の伸縮が不十分な拘束性肺障害、%1秒量が70%以下なら呼気が十分に吐き出せておらず詰まっているので、閉塞性肺障害と判断します。

したがって、本選択肢は正しい記述です。

5=×:MRIはその名の通り、核磁気=電磁力を使って身体を構成する原子に働きかけ、その影響の具合を連続的に映像に撮ることで内臓の形を映像にする検査です。

MRIは放射線を使っていないため、誤った選択肢です。

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